ドイツ 旧ナショナルギャラリーの観光・見所について

旧ナショナルギャラリー

旧ナショナルギャラリー

ドイツの首都、ベルリンは音楽だけではなくアートの町でもあり、多様な美術館、博物館、ギャラリーが点在しています。その中でも博物館島(Museumsinsel)と呼ばれる場所には、いくつもの博物館や美術館が集中して建っており、ドイツのみならずヨーロッパやアフリカ、アジアの歴史的芸術を一気に見ることができます。博物館島は1999年にユネスコ世界遺産に登録されました。旧ナショナルギャラリー(旧国立美術館/Alte National Galerie)は博物館島に建っている美術館の一つで、1876年に正式にオープンしました。第二次世界大戦中にはほとんど開館されず、また空襲によって甚大な被害を受けるなど様々な歴史の変遷を経ました。博物館島へはフリードリッヒシュトラーセ駅とハッケシャーマルクト駅から徒歩5分程で、バスだと目の前で停車します。ベルリンを訪れた際はコンサートホールだけではなく、博物館島を訪ねるのもよいでしょう。

旧ナショナルギャラリー1

見どころ

旧ナショナルギャラリーの見どころはまずその立地と建築にあります。博物館島に立っている建物はどれも1800年代と1900年代前半に建てられたもので、その時代のベルリンの空気を感じさせてくれます。美術館自体の建築は、ギリシャ神殿を思わせる外観にはエンタシスがいくつも立っており、また、左右対称に設計された建物は、ナチス時代に良しとされた優生学によるアーリア人思想の象徴とされました。正面からみるだけではなく、建物をぐるりと一周してみるのも良いかもしれません。初めは小規模の美術館として産声をあげた旧ナショナルギャラリーには、新古典主義やロマン主義、印象派などの多岐にわたるコレクションが収蔵されています。コレクションは主に近代以前の絵画や彫刻がメインですが、対になっている新ナショナルギャラリーには近・現代の美術が常設されており、また大規模な企画展も度々やっているので、新旧両方を見ることによってドイツの美術と歴史の関わりが、より精細に理解できるでしょう。旧ナショナルギャラリーのコレクションの中には、ドイツロマン主義やマックス・リーバーマンなどのベルリン分離派の作品が見られるので、美術鑑賞としてだけではなく、歴史的資料として活用することもできます。ドイツの歩んだ歴史や第二次世界大戦を研究している人にとっても興味深い場所でしょう。そのほか、マネやモネなどのフランス印象派の作品も収蔵されているので、観光に疲れた時などにちょっと立ち寄ってみると癒しになるかもしれません。