絵画館
ドイツの都市ベルリンのポツダム広場の近くに、世界的にも貴重なヨーロッパ絵画が収蔵されている美術館として知られる絵画館があります。ドイツがかつて東西に分かれていた時代に、西ドイツの文化発信の場となる地区を作ることを目的として設置された文化フォーラムには、たくさんの美術館や博物館がありますが、絵画館もそれらの文化施設の一つです。13世紀から18世紀の貴重な名画が数多く収蔵されているため、世界中から来る観光客からも人気のスポットの一つとなっています。もともとの収蔵品は、ベルリン王室のギャラリーのコレクションでしたが、その後、ポーランドから新たなコレクションを手に入れたり、第二次世界大戦や東西分裂の歴史を経る中で貴重な美術品を失ったり手に入れたりしながら、多くの絵画を収蔵してきました。東西分割の際に、東ベルリンではボーデ美術館に、西ベルリンではダーレム美術館に、別れて収蔵されていたコレクションは、東西統一を機に絵画館に集められ、現在は、たくさんのヨーロッパ絵画の名作を鑑賞することができるようになっています。
見どころ
絵画館の見どころは、展示されている名画の全てです。ドイツのベルリンにある美術館や博物館を18の部門で構成しているベルリン美術館の一つ、絵画館の館内には、名立たる巨匠たちの作品が出し惜しみなく展示されています。館内は、時代や作品様式に従って、いくつもの小さな部屋に分かれていて、各部屋にはゆったりと絵画が展示されています。また、鑑賞の際に一つの作品をじっくりと楽しむことができるようにと、部屋の中央にベンチが置いてあったり、貸し出しの椅子が用意されているなどのサービスもあります。名作があまりにも多い絵画館ですが、数多くの作品の中でも見どころの一つとしてあげることができるのが、ヨハネス・フェルメールの「真珠の首飾り」と「紳士とワインを飲む女」です。この有名な2つの作品が横に並べて展示されているため、比較しながら同時に鑑賞することも、またあるいは、個々の作品をじっくりと鑑賞することもできるようになっています。フェルメールのみならず、光の画家とも言われるレンブラント・ファン・レインや、フェルメールにも影響を与えたといわれるピーテル・デ・ホーホなどのオランダ画家、そして、ルネサンスの三大巨匠の1人であるラファエロ・サンティや、光と影の明暗表現に特色をもったミケランジェロ・メリー・ジ・ダ・カラヴァッジョなどのイタリア画家による名作の数々はどれも必見です。ルネッサンスから初期バロックに作られたこれらの作品を存分に鑑賞できるように工夫された特別な空間の中で、芸術を思う存分満喫できる観光スポットです。