パッサウ大聖堂
ドイツの南東部バイエルン州の州都パッサウに、聖シュテファン大聖堂があります。パッサウは、オーストリアとの国境沿いに位置し、ドナウ川、イン川、イルツ川が合わさって一つとなる合流地点の町です。そのため、「3つの川の町」を意味する「ドライフリュッセシュタット」とも呼ばれています。また、12世紀に、当時の司教ヴァルフガーが、ワーグナーのオペラの題材ともなっているドイツの叙事詩「ニーベルンゲンの歌」を記録させたことから、「ニーベルンゲンの町」としても知られています。聖シュテファン大聖堂の裏にある旧市庁舎の大広間には「ニーベルンゲンの歌」のワンシーンを描いた大きな絵画が飾られています。中世の面影が残るバロック様式のパッサウの町で、堂々とした姿を見せている建物が聖シュテファン大聖堂です。聖シュテファンを守護聖人としていることから、その名がつけられました。隣国オーストリアのウィーンにあるシュテファン大聖堂の母教会で、本山にあたり、パッサウの町の人気の観光地の一つとなっています。
見どころ
パッサウの町の見どころは、町の中心にある聖シュテファン大聖堂やその他多くのカトリック教会、美しい絵画が飾られている旧市庁舎、そして、世界で最も大きいと言われ、美しいボヘミアンガラス製品やエリザベス2世が宿泊した部屋を見ることができるガラス博物館です。特に観光客に人気の一つとなっているところが、聖シュテファン大聖堂です。見どころとしてあげられるポイントが、聖堂の装飾や造りです。一度、そのほとんどを火事により消失してしまいましたが、その後、イタリアの建築家により再建され、以前の後期ゴシック様式からバロック様式の現在の姿に変わりました。聖堂内には、聖シュテファンの像が奉られ、教会の塔の頂上には族長十字が立てられています。さらに、天井には、キリストの3つの教え「信仰」「希望」と並ぶ「愛」をテーマにしたフレスコ画が大きく描かれています。また、見回すと目に映る鮮やかな白いスタッコ装飾は必見です。そして、この大聖堂の一番のみどころは、教会オルガンとしては、世界でも最大級、ドイツでは一番の大きさを誇る、パイプオルガンです。その全体の大きさもさることながら、パイプの数が17000本以上、ストップが220個以上、グロッケンシュピールが4つもあり、その数字の大きさがまた、観光客の関心を集めています。一番長いパイプが11メートルを超える長さであるのに対し、一ヤ短いものは1センチメートルにも満たないという長短の差が大きいパイプの造りも、必見のポイントです。