スペイン ティッセンボルネミッサ美術館の観光・見所について

ティッセンボルネミッサ美術館

ティッセンボルネミッサ美術館

スペイン中央部に位置するマドリッド州にありスペインの首都でもあるマドリッドには、中世から現代にかけての貴重な美術品が収蔵されている、ティッセンボルネミッサ美術館があります。町の中心にあるティッセンボルネミッサ美術館には、鉱山財閥ティッセン社の創業者を父に持つドイツの実業家、ハインリヒ・ティッセン=ボルネミッサ男爵と、その息子であるハンス・ハインリヒ=ボルネミッサ男爵によって収集された個人コレクションが収蔵されています。1992年に開館し、翌年1993年にはスペインの政府に買い取られ、その後も現在まで重要な美術館としてマドリッドの人気観光スポットの一つとなっています。美術館は、スペインを代表する建築家ホセ・ラファエル・モネオによって、ピリャエルモサ宮殿を大改装して作られました。ネプチューン広場を挟んで向かい側には、世界的に見ても貴重とされるスペイン王家のコレクションが収蔵されたプラド美術館もあり、2つの美術館を巡って、芸術の宝庫マドリッドの素晴らしいコレクションを堪能することもできます。

見どころ

多くの芸術家を輩出したスペインの中でも、特に芸術文化が盛んな二大都市として、バルセロナと並ぶマドリッドですが、その中心となる美術館通りに、ティッセンボルネミッサ美術館があります。ティッセンボルネミッサ美術館では、幅広いラインナップを揃える貴重な作品の数々が、各フロアに、年代ごと、ジャンルごとに展示されていて、系統的に見ることができます。また、館内は非常に明るく、それぞれの作品をじっくりと鑑賞することもできます。ティッセンボルネミッサ美術館の数ある作品の中でも見どころの一つが、バロック絵画に影響を与えたといわれ、光と影の表現でも有名なイタリア人画家ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョによる1597年の作品「アレキサンドリアの聖カタリナ」です。この作品のモデルとなっている女性、聖カタリナは、エジプトのアレキサンドリアで生まれ、哲学などに長けた博識な女性でしたが、キリスト教を迫害する皇帝からの好意に背いたため処刑されたともいわれています。この作品は、ティッセン=ボルネミッサ親子が気に入っていた作品と言われていて、来館者の注目を集めている作品の一つとなっています。館内に展示されている数多くの作品はもちろんのこと、建築のノーベル賞といわれる「プリツカー賞」の受賞暦を持つラファエロ・モネオが改装した建物の造りも必見です。宮殿が作られた18世紀から19世紀初めの時代と現代とが融合されて改装された美術館は、一つの建築物としても見ごたえがあります。