二姉妹の間
スペインのグラナダは、シエラネバダ山脈の麓、地中海に面した観光都市です。温暖な気候で豊富な水にも恵まれたグラナダには、アルハンブラ宮殿をメインに、貴重な歴史遺産を一目見ようと、世界中からたくさんの観光客が訪れます。イスラム最後の砦ともなった城塞都市アルハンブラ宮殿には、中世の壮麗な建築物や庭園が数多く遺されており、ユネスコの世界遺産に登録されています。その中核にある、イスラム最後の王朝ナスル朝時代に建築された「ナスル朝宮殿(旧王宮)」には、「メスアール宮」「コマレス宮」「ライオン宮」があり、公務や外交の場、居住空間など様々な目的の部屋や庭があります。「二姉妹の間」は、王と女性たちの居住空間でプライベートな憩いの場「ライオン宮」にあります。名前の由来は、二枚の大きな白い大理石が部屋の敷石として使われているからだそうです。ここは王妃の部屋であったといわれており、格別に美しい装飾が施されています。
見どころ
スペインのグラナダ王国時代の栄華を遺すアルハンブラ宮殿。その中でも一番の見どころである「ナスル朝宮殿」は、入口を入るとまず「メスアール宮」があります。続いて「コマレス宮」があり、そこからようやく、「二姉妹の間」がある「ライオン宮」へと入っていきます。大人気の「ライオンの中庭」は、四方を回廊と建物で囲まれていますが、その内北側の真正面にあるのが「二姉妹の間」です。隅々まで装飾されたアーチ型の入り口を入ると、壁から天井まで寸分の隙間も無いほどに華やかな装飾で埋め尽くされており、あまりの美しさに圧倒されます。四方の壁の下部はカラフルなタイルでモザイク模様に仕上げられ、その上部は白いスタッコのアラベスク模様が施されています。最も目を見張るのは、天井部分の装飾です。壁上部から天井にかけてのモカラベ(鍾乳石装飾)によって、部屋の四角が八角へと変化し、天井中央は正八角形の大きな吹き抜けになっています。その八角形から二階部分の天井を見上げる形になっているので、二階建てというより、二段になっている天井という感じです。その上階部分は吹き抜けより一回り大きな八角形をしていて、その天井はモカラベによって緻密に装飾されたドーム型です。部屋の中央から真上を見上げると、天井から下がる鍾乳石飾りが、上階の天井から一階にかけて見事に調和して一体化しており、世界最高建築と称えられています。天井のモカラベは、7種類のムカルナス装飾を組み合わせて作られており、「蜂の巣」のように見えます。上階の八面の壁には、装飾されたアーチ型の小窓が2つずつ並んでいます。この八方の窓から入るやわらかな光が、天井などの立体的な装飾を際立たせ、その緻密さや美しさを引き立てています。
グラナダ発 予約困難!アルハンブラ宮殿の入場券(日本語オーディオガイド付き)
アルハンブラ宮殿の入場チケットと、宮殿内&グラナダ市内の見所の案内が聞ける日本語オーディオガイドがセットになっています。アルハンブラ宮殿は入場制限が設けられており、なかなか予約が取れません。事前...