ライオンの中庭
スペインで最も多くの観光客が訪れるグラナダ。イスラムの歴史的な遺産が数多く残るグラナダにあって、「赤い丘」と呼ばれる高台に建つ城塞都市「アルハンブラ宮殿」が、なんといっても一番の人気スポットです。中世の華麗な宮殿や庭園が、装飾の細部にいたるまで保存されているアルハンブラは、イスラム教国の過去の栄光を象徴しています。約250年間続いたイスラム最後の王朝「ナスル朝」は、グラナダ王国とも呼ばれ栄華を極めました。その時代に造られた「ナスル朝宮殿」は、アルハンブラで最も注目すべき重要な王宮です。3つの宮殿から構成されるナスル朝宮殿の中で、王のプライベートな居住空間として利用されていたのは「ライオン宮」です。ここには女性たちのための部屋があり、王以外は男子禁制の王宮で、王のくつろぎと享楽の場所でした。世界最高の建築と称えられる美しい装飾が鑑賞できる、一番人気のスポットです。アルハンブラで最も有名な中庭である「ライオンの中庭」は、その名の通りライオン宮の庭の一つです。この庭はアルハンブラで最も美しいと言われる場所で、ここも当時は王と女性以外立ち入り禁止でした。
見どころ
スペイン・アンダルシア地方にはシエラネバダ山脈があり、麓にグラナダがあります。この山の雪解け水や地形を巧みに利用して建築されたアルハンブラは、「水の王宮」とも呼ばれ、至る所に噴水(水盤)や池があります。ライオンの中庭を象徴しているのは、まさにその噴水です。アルハンブラにある噴水は、音を立てて勢いよく吹き上げるものとは違い、水盤の中央から湧水のように静かに水が上がり、それが水盤から溢れて出ていくタイプなのですが、ライオンの中庭の噴水も同様です。この噴水の特徴は、丸い水盤の土台の周りに、12頭のライオンの像が外側を向いてぐるりと立ち並んでいることです。そして、このライオン像の口からも水が出て、水時計としての役割もしていました。1時には1頭、2時には2頭の口から水が出るといった具合です。このライオンの噴水がライオンの中庭の中心にあり、もちろん中庭の名前の由来でもあります。ライオンの中庭は、長辺が28m、短辺が16mの長方形の庭で、四方を建物が囲んでおり、庭と建物との間は回廊になっています。その回廊を支えるのは、124本の大理石の細い円柱で、ハスの花をかたどったアラブらしい造りです。柱上部のアーチには非常に細かい漆喰細工が施され、繊細に編まれたレースのような美しさです。また、回廊から庭を眺めると、林立している白い柱によって、森の木立の中にいるように感じられます。近年行われていた中庭の修復工事も無事終わり、玉砂利が敷き詰められていた地面には、白い大理石が敷かれています。細やかな装飾で繊細な美しさが魅力のライオン宮の中庭だけあって、真っ白なメルヘンの世界にいるようです。噴水のライオンたちもかわいらしいですよ。
グラナダ発 予約困難!アルハンブラ宮殿の入場券(日本語オーディオガイド付き)
アルハンブラ宮殿の入場チケットと、宮殿内&グラナダ市内の見所の案内が聞ける日本語オーディオガイドがセットになっています。アルハンブラ宮殿は入場制限が設けられており、なかなか予約が取れません。事前...