ザンクトガレンの修道院
スイス北東部に位置するザンクトガレンは、ドイツの国境近くにあり、コンスタンツ湖の近郊にある、宗教的にも歴史のある都市です。この歴史的な街は、8世紀に建てられたザンクトガレンの修道院によって中世ヨーロッパに広く名を広げました。ザンクトガレンの修道院は、12人の仲間たちと共に宣教活動のため旅をしていたアイルランドの修道士ガルスによって、7世紀初頭に建てられた小さな礼拝堂が始まりとされています。ガルスがこの地に留まるきっかけとして伝えられている伝説の中に、この地で恐れられていた熊をガルスが、パンと諭しで説き伏せ、礼拝堂の建築を手伝わせたという話があり、そのため、この伝説の熊をモチーフにした石のレリーフが町のいたるところに飾られていて、歩いているとそれらを目にすることができます。現在のザンクトガレンの修道院は、8世紀に建てられた当時の建物とは異なり、18世紀に建てられたものですが、バロック様式の美しい修道院は人気の観光スポットとなっています。また、この修道院に併設する図書館も含めて、1983年に「ザンクトガレン修道院」として世界遺産に登録されました。
見どころ
ザンクトガレンの町の一番の見どころは、スイスにある世界遺産として登録されているザンクトガレンの修道院と、修道院に併設された図書館です。キリスト教会の中でも最古の修道会とされるベネディクト会の中心的な修道院の一つと言われるザンクトガレンの修道院は、宗教的役割としてだけではなく、一つの建築物としても、高い評価を受けています。修道院内部には、バロック様式の2つの内陣や、ヨーゼフヴァネンマッハーによる天井のフレスコ画、ガルスの生涯を表現した礼拝堂など見どころが数多くあります。また、修道院に併設されている図書館は、内部の美しさ、そして何より、貴重な蔵書の数で世界に名を広げています。大理石の階段、美しい天井画、バロック様式の館内広間は、図書館と言うだけでは留まらない美しい建築物です。歴史ある建築物であるにもかかわらず、美しく、かつての華やかさもそのままに保存されている館内の光景は圧巻です。中世の書籍をここまで残す世界でも有数の図書館であり、膨大な数の蔵書全てが貴重であるにも関わらず、そのうちの多くを、今でも実際に手に取り、読むことができるということは、多くの来訪者を驚かせています。印刷という技術が発展していなかった中世の時代に、修道士たちの仕事でもあった「写本」により作られたおよそ2000冊の本は、神学のみならず他分野の学問にも及んでいて、現在でもたいへん貴重な蔵書となっています。現在修道院としての役割は終わってしまいましたが、建築物としての修道院は人気の観光地であり、また図書館は、今でも当時の面影と学問の歴史をしっかりと残している世界的にも貴重な場所として、多くの人々が訪れる人気のスポットとなっています。
ザンクト・ガレン発 【プライベートツアー】 日本語ガイドと歩く ザンクト・ガレン半日ウォーキングツアー ~世界遺産の...
スイス北東部の経済と文化の中心地、ザンクト・ガレンをお客様だけの日本語ガイドと歩くウォーキングツアー。世界遺産の大聖堂とロココ様式の図書館を中心に観光します。