ミズリーナ湖
イタリア北部に位置するオーストリアの国境に近いアウロンツォ・ディ・カドーレには、「ドロミテの真珠」と呼ばれるミズリーナ湖があります。ドロマイトと呼ばれる苦灰石によってできた灰色がかった3000メートル級の山々が連なる世界的にも有名なドロミテの山岳地帯にあるこの湖は、海抜がおよそ1750メートルの高原にあり、湖の幅は広いところでおよそ200メートル、南北に約1キロメートルという楕円の形をしています。湖とその周辺は、とても穏やかで美しく、霧が発生すると、さらに幻想的な雰囲気に包まれます。周囲にあるドロミテの自然の山々はこの湖をさらに引き立てています。この美しい湖は、2009年に「ドロミーティ」として、周囲の自然遺産と共に世界遺産に登録されました。また、ミズリーナ湖は、1956年にコルティナダンペッツォで冬季オリンピックが開かれた際には、自然の氷の上で行われた初めてのオリンピックスピードスケート会場となりました。
見どころ
イタリアで一番の自然遺産と言われるコルティナから、わずか30キロメートルの場所に位置するアウロンツォ・ディ・カドーレの町にあるミズリーナ湖は、人気リゾートエリアにある観光スポットの一つです。この湖の一番の見どころは、湖とその周辺とのコントラストが美しい絶景です。ミズリーナ湖は、深さ5メートルほどの湖で、この湖を満たす湖水は、氷河が溶けて流れ込んだものです。また、この自然湖から流れ出る湖水は地中海へとつながっていて、周囲の大自然の光景と合わせて眺めると、自然との融合、そして自然の壮大さを感じることができます。また、周囲がおよそ2600メートルほどで、湖の周りには歩いて散策できる散歩道があります。湖周辺は、呼吸器疾患の人たちに優しい環境であるとされていて、それに対応した医療施設があるほど空気がきれいだと言われています。歩いて回ることができる湖を回る散歩ルートは、この澄んだ空気と、周囲のドロミテの山々の光景を楽しむことができる絶景の観光スポットです。湖からは、イタリアドロミテの中でもハイカーに人気の、3221メートルのクリスタッロの山塊、2999メートルのトレ・チーメ・ディ・ラヴァーレなどを眺めることができます。また、湖の南側にあるホテルや、3205メートルのソラピス山が、ミズリーナ湖の澄んだ湖面に映る姿は美しい光景です。これらのドロミテの山々は季節や天候によって様々な表情を見せるため、時期ごとにあらゆる光景を楽しむこともできます。