ハイドパーク
ハイドパークはイギリス、ロンドン市内にある8つの王立公園のうちの一つで、とても広く350エーカー(1.4平方キロ)もあり、一体として考えられている西隣のケンジントン・ガーデンと合わせると625エーカー(2.5平方キロ)もあります。大変広いため、最寄駅が3つあり、マーブルアーチ、ランカスター・ゲート、ハイドパーク・コーナーの各駅はどれも公園の目の前です。1536年イングランド国王ヘンリー8世がウエストミンスター寺院から譲り受け、王族の狩猟場として使われていましたが、1637年にジェームス1世が乗馬と散歩のために一般公開しました。1820年代に建築家デシマス・バートンによって再設計されており、1851年に世界初の万国博覧会が行われるなど歴史のある公園です。また、音楽とも深く関わりのある公園で様々なロックコンサートが行われており、2013年に行われたローリング・ストーンズのこの公園での44年ぶりのコンサートは大変話題になりました。また、ビートルズのアルバム『ビートルズ・フォー・セール』のジャケット写真は発売された年の秋にハイドパーク内で撮影されたもので、このころの彼らをよく表しているとファンに評判の一枚です。
見どころ
なんといっても、広大さ、ロンドン中心部だということを感じさせないほどのゆたかな緑が魅力です。子供から大人まで、地元住民から観光客まで、多くの人の憩いの場になっています。公園の正門は再設計したデシマス・バートンの作品でイオニア様式をしており、公園の入り口で歴史を感じさせてくれます。イギリスの公園ならではの造りの美しさ、花の配置なども楽しめますし、人工のサーペンタイン・レイクではボートに乗ることもできます。ロンドン市内の公園らしくあちらこちらでリスが訪れる人を楽しませてくれます。また、ハイドパークは戯曲「ピーターパン」の舞台でもあることからピーターパンの像が1912年から設置されています。意外と知られていないのが、ハイドパーク内を馬で闊歩することができるということです。近くに乗馬クラブがあり、経験者ならそこで馬を借りて公園内を馬で楽しむことができます。初心者のためのスクールもあるので、初めてでも安心です。歴史を感じるためにスピーカーズ・コーナーに行ってみるのもいいでしょう。1866年の労働者のデモ活動以来演説の場として広く使われており、哲学者のマルクス、ソ連初の最高指導者レーニンもここで演説をしスことがあります。故ダイアナ妃が住んでいたケンジントン・パレスはとなりのケンジントン・ガーデン内にあり、ダイアナ妃を記念した碑、噴水もあります。噴水は川のように流れを楽しめるもので、夏の市民の憩いの場となっています。