イギリス ヘイスティングズ城の観光・見所について

ヘイスティングズ城

ヘイスティングズ城

ヘイスティングスはイギリス南東部イースト・サセックス州の歴史ある町で、ロンドンからは電車1時間半ほどの場所にあり、イギリス最古の漁港がある旧市街と、再開発の進む近代化された都市とが見事に調和している町です。綺麗なビーチがあるため夏には海水浴客で賑わいますが、若者より家族連れが多いのでさほど騒がしさはありません。駅から20分ほどの、坂道を登った高台にヘイスティングズ城はあります。その歴史は古く、1066年にフランスのノルマンディー公ウィリアムが当時のイギリス王ハロルド2世をこの地で破り、ウィリアム1世として戴冠して初めて築城したのがヘイスティングズ城です。ノルマンディーへの交通の便が良く、ウィリアム征服王から4代ほどのイギリス王が度々滞在していたと言われています。その後破壊と再建を繰り返され、現在では廃城となりその面影を残すだけですが、この城の立つ高台からは美しい海やヘイスティングスの町並を見下ろすことが出来ます。

見どころ

1066年、イギリスの歴史を大きく変えたと言われているヘイスティングスの戦いでハロルド2世に勝利しノルマン・コンクエストを果たしたウィリアム1世は、町の防衛のため築城を行いました。教会や修道院も併設され、王の住居としてだけでなく宗教教育の場としても栄えていましたが、13世紀に町が激しい嵐に見舞われ、その際の落雷によって大部分が破壊されてしまいました。現在ではヘンリー3世が再建したゲストハウスの円形の搭と教会の一部のみが残されています。城自体は廃城であり、城門から崖まで30数歩という小さな観光地ですが、城内では城にまつわるイギリスの歴史に関する記録映画を見ることができ、その歴史的価値は必見です。また、イギリスの古城でしばしば幽霊の出没が話題になりますが、このヘイスティングズ城にも様々な噂があります。ご興味のある方は是非係員にお話を聞いてみて下さい。城の北側には、重税から逃れるため密輸が盛んだった頃、密輸業者がタバコや酒を隠していた「聖クレメントの洞窟」があります。第二次世界大戦下では防空壕として利用され、その後洞窟内でギター等の演奏を聞きつつ飲んだり踊ったりするパブとなりましたが、現在ではかつての密輸業者の洞窟での暮らしを展示するアトラクションになっています。城のある高台から周囲を見下ろすと、眼前には美しい海とヘイスティングスの町が広がります。漁業博物館では漁港の町として栄えた当時の様子を垣間見ることができ、また他にも多くの博物館や美術館があります。海が目の前ということで魚介類が豊富で、特にドーヴァー・ソール(舌平目)が名物です。美味しいフィッシュ&チップスも堪能できます。