カッスルクーム
「羊の丘」を意味する広大な丘陵地帯コッツウォルズに属するウィルトシャー州は、多数の丘と農村が点在する牧歌的な地域です。その南に位置する谷間の小さな村カッスルクームは、イギリスで最も美しい村と言われています。カッスルクームは、古くは羊毛産業で繁栄した村でした。しかし、19世紀頃からイギリスで広まった鉄道から外れていたため、村の産業は急激に衰退します。そして、のちの産業革命からも取り残されたこの村は、15世紀から変わらない中世の街並みをそのまま残すこととなるのです。歴史あるカッスルクームの古い街並みは、舗装された道路以外は500年前の景観をほぼそのまま残しており、まるで時が止まったままのようです。風情ある蜂蜜色の石造りの家は、コッツウォルズ地方のみで採掘される石灰岩「コッツウォルズストーン」が使われています。その柔らかな色合いと素朴な質感は、この独特な石造りの家を彩る鮮やかな花々と緑をいっそう美しく引き立てているのです。
見どころ
都会の喧噪から切り離され、野鳥のさえずりと風で揺れる木々のざわめき以外は音がないかのようなカッスルクームは、時間までもゆっくり流れているようです。カッスルクームには、この村の長い歴史を物語る多くの建造物が残されています。3本の主要道路が交差する村の中心には、14世紀に建てられたモニュメント「マーケット・クロス」が佇んでいます。この場所からは、ゆるやかな曲線をえがいて立ち並ぶ絵本のような街並みが一望できます。14世紀に建てられたかつての領主の邸宅を改装した48もの客室を有する高級ホテル「マナーハウス・ホテル」は、1.5平方キロメートルの広大な庭園を眺めながら食事やアフタヌーンティを楽しむことができます。数百年変わらずこの村を流れる「バイザブルック川」には、古めかしいアーチ型のバックホース橋がかかり、春は新緑、夏は深い緑、そして冬と、四季折々にその眺めを変えるのです。「レイコック・アビー」は、1232年に建てられた女子修道院。どこかエレガントな雰囲気のある石造りの建造物には13世紀そのままの美しい回廊が残されています。「聖アンドリュース教会」には、この村の繁栄をしのばせる色鮮やかなステンドグラスが。そして15世紀後半に作られた中世の時計「カッスルクームクロック」は、この場所で500年以上、時を刻み続けているのです。カッスルクームの街並みを歩いていると、イギリスのファンタジー小説の世界に紛れ込んでしまったようです。のんびり散策するだけで、絵ハガキを切り取ったような風景を発見することができます。村の中にはベンチも設置されており、疲れた足を休めることもできます。
ロンドン発 2つの世界遺産ストーンヘンジ、バースと映画の舞台レイコック村 1日観光
イギリス観光で高い人気を誇るコース、世界遺産のストーンヘンジと二千年以上の歴史を誇る古都バースを巡ります。さらに南コッツウォルズ地方を代表する人気の村レイコックを訪れる充実の内容です。