ロイヤルマイル
ロイヤルマイルとはイギリス北東部、スコットランドの首都エジンバラの旧市街にある、エジンバラ城とホリールードハウス宮殿を結ぶ石畳の道のことです。約1.6kmの1本道の道沿いには16世紀から17世紀の建物が立ち並び、スコットランドの歴史を感じさせる一方で土産物屋やレストラン、パブなど観光客向けのお店も充実しており、訪れる人を楽しませてくれます。15世紀以降、エジンバラの町はスコットランドの首都として大きく発展しました。中世には天然の要塞であったエジンバラ城を中心にし、独立した国家として独自の文化と歴史を築き上げてきました。その頃の町は「旧市街」と呼ばれ、今でも多くの建物が残っており、当時の様子をうかがい知ることが出来ます。一方、旧市街の北側には18世紀以降新たに建設が行われた「新市街」があります。この2つの特徴的な町の景観は「エジンバラの旧市街と新市街」としてユネスコの世界文化遺産に登録されています。
見どころ
エジンバラ城はキャッスル・ロックという岩山の植えに立つ天然要塞で、エジンバラのシンボルです。この場所自体には古代から人間の定住が行われ、現在のような城として整備されるようになったのは12世紀以降のことです。しかし城といっても、他のヨーロッパの城の多くがそうであるように、エジンバラ城の役割は軍事拠点であり、居城として王族が住むには不向きなものでした。そこで15世紀末に修道院を改築し建てられたのがホリールードハウス宮殿です。この宮殿は現在でもイギリス王室の方々の滞在に使用されます。この重要な2つの建物を結ぶ道こそ、ロイヤルマイルと呼ばれる1本道なのです。ロイヤルマイルのある旧市街はスコットランド有数の歴史地区です。城は勿論のこと、ロイヤルマイルの始まりにはトルブースカークという19世紀に建てられたゴシック様式の教会があり、少し進むと同じくゴシック様式のセントジャイルズ大聖堂、博物館、クイーンズギャラリー・・・と次々に魅力的な建物が現れます。そして道の突き当りには「アーサー王の玉座」と呼ばれる見事な岩山を背にホリールードハウス宮殿が待ち構えます。王族の滞在がない限り一般公開されており、城内や現在では廃墟になってしまっている修道院の見学をすることが出来ます。また宮殿の南東には公園があり、そこからエジンバラの町並を見渡すのも楽しみの一つです。旧市街の北側には18世紀以降整備された新市街が広がります。1707年にイングランドと統合したことで人口が急増し新しい街造りの必要が生じたことから新市街が造られました。碁盤の目上に造られた新市街は都市計画の傑作と評され、他のヨーロッパの町並に影響を与えたと言われています。旧市街との違いを楽しみながら新市街を歩くことで、エジンバラのたどってきた歴史を感じ取ることが出来るでしょう。