凱旋門
凱旋門は、フランス皇帝ナポレオンが1805年のアウステルリッツの戦いで勝利し、それを記念してシャルル・ド・ゴール広場に建設した戦勝記念碑です。ちなみに戦勝記念碑はパリ市内にサン・ドニ門、サン・マルタン門など複数の門が存在しますが、日本語で凱旋門といえば、ナポレオンが建てたこのエトワール凱旋門のことを指します。このエトワールという名称はフランス語で星を意味し、パリ市内の12本の通りの中心にこの凱旋門が存在していて、上空から見ると星の形に見えることからこの門周辺一体をエトワール広場と呼ぶようになりました。当時の正式名称はエトワール広場の凱旋門という名称ですが、現在ではシャルル・ド・ゴール広場という名称に改称されています。この門の建築様式は新古典主義で、古代ローマの戦勝記念碑を模して建てられ、新古典主義の代表的な建物の一つになっています。
この門の建設は1806年に開始して1836年の王政復古の時代に完成していますが、この門の建設を命じた皇帝ナポレオンが生きてこの門をくぐることはなく、セント・ヘレナ島で亡くなった19年後の1840年の改葬時に棺に入った状態で通っています。
また第二次大戦時の1940年には当時のヨーロッパを恐怖で震え上らせたナチスドイツが無血入場し、フランスに屈辱を与えましたが、連合国軍のノルマンディー上陸後の1944年にはシャルル・ド・ゴール将軍がパリ市民の喝采を浴びながら凱旋パレードを行ない、無欠入場の屈辱を晴らしました。そして上記で述べたようにその26年後の1970年に将軍の死後、彼の偉業を称えてシャルル・ド・ゴール広場に改称されました。
見どころ
【凱旋門の屋上からの景色】50メートルの高さの螺旋階段を登って見られる屋上からのパノラマ景色は絶景で、パリ市内には高いビルが少ないので、遠くのエッフェル塔やコンコルド広場のオベリスクなど他の観光名所を眺めることができます。他にもパリ市内を眺める場所はありますが、やはり中心部からパリ市内の放射状の12本の通りをぐるりと眺められるのはここだけです。また、入場時の待ち時間がほとんどないのも魅力です。なお、体の不自由な身体障害者などは螺旋階段は登らずにエレベーターを使用して屋上まで行くことができます。
【ベストショット写真が撮れる12本の通り】凱旋門は12本の通りの中心に存在するので、シャンゼリゼ通りなど各通りから様々な角度の姿が見られ、好みのアングルで門の写真や記念写真を撮ることができます。ちなみに真正面からのアングルはシャンゼリゼ通りから撮ることができ、真裏からのアングルはグランド・アルメ通りから撮ることができます。
【凱旋門の美しいライトアップ】凱旋門は通常、日没後に美しくライトアップされるので昼間とは違う表情を楽しむことができます。点灯の時間は季節などによって異なります。
【門の真下から見上げる迫力】凱旋門の真下へは門の近くにある地下通路を通って行きます。実際に真下から見上げると遠くからは分からない門の大きさの迫力を身近に感じることができます。ちなみに見上げた門のアーチの下には第一次世界大戦で亡くなった無名戦士が祀られています。
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