ピカソ美術館
ピカソ美術館は、フランスのパリにある芸術家パブロ・ピカソの生み出した作品を展示している美術館です。パリ国立ピカソ美術館とも呼ばれています。パリ3区の南部に位置していて、建物の古い佇まいからは歴史を見ることが出来ます。美術館では、パブロ・ピカソの展示品だけでなく収蔵品も保管してあり美術的にも重要な施設になります。建物は元々、塩税徴収管の邸宅として使われていたものが、後にピカソ美術館として転用されたという経緯があります。
建物は1659年に建築家のジャン・ド・ブイエにより建築され、後にパリ市へと買収されました。美術館として使えるように建築家のロラン・シムネが改修を担当し、改修を終えた1985年からピカソ美術館が開館されることになります。
ピカソ美術館に収められているものは、絵画や彫刻、陶器やデッサン、版画など数多くの芸術作品があります。初期の頃に描いた作品も展示されています。ピカソが生み出した作品の画風の変化を辿ることができ、奇才と呼ばれたその画家人生を堪能することが出来ます。
また、美術館が改修された時期をキッカケに、世界を巡ってピカソの芸術品を展示するイベントが開催されるようになります。日本でも頻繁に開催されていて、マドリード、アブダビに次いで開催回数が多いです。美術館は有料で観覧する施設ですが、時間帯によっては無料で開放されていて、地元の観光名所としてもピカソの作品に触れるために多くの観光客を集めています。
見どころ
ピカソ美術館は、フランスの首都のパリの有名な観光名所です。
ピカソの初期の頃の代表作として「青の時代」と呼ばれている作人「自画像」があります。それを始まりとして、1973年に死去した最後まで手元に残してあった作品に至るまでが展示されています。
ピカソの初期の作品の「自画像」は親友の自殺による悲しみより1901年に生み出されました。これをキッカケに「青の時代」が始まります。
ピカソといえば、有名な抽象絵画を連想させますが、抽象絵画を描くようになる前の精巧なデッサン画も見所です。ピカソは10歳前後から卓越したデッサン技術を発揮し、14歳の頃にはすでに頂点を極めていました。卓越したデッサン力で描き出された色付きの濃厚な油絵による空間描写は息を呑みます。それ以降の数々の抽象画は、ピカソの人生を表すものとして魅力溢れ見る者の好奇心をそそります。
作品「泣く女」1937年制作は、シュールレアリズム時代の作品として有名で、ドラ・マールをモデルとした習作のうちの1つです。色彩鮮やかなコントラスを持ち、感情を表現しています。それぞれの作品には制作の生い立ちの説明文があり、作品とともにピカソの人生を知ることができます。
建物は三階建てになっていて、館内には大きな階段ホールがあり、天井への突き抜けは白い壁で覆われています。隅の柱や縁には、それ自体が芸術的価値の高い彫刻が施されていて、建物自体にも歴史的価値を持っています。ピカソ美術館は、夜7時以降は無料で開放されていて、誰でも気軽にピカソの芸術品を見て楽しむことが出来ます。