ジベルニー
花の都パリから西方へ80キロ程度の場所にあるジベルニーは、ノルマンディー地方に位置する小さい町です。
印象派の画家として有名なクロード・モネがこの地の美しさに魅了されて移住したことで有名ですが、その後彼は生涯この土地で暮らしました。
また、モネだけでなく、この土地で絵画を描いていた芸術家は他にも沢山いました。モネが1883年に移住すると、彼の持つ画法を勉強するために多くの芸術家達がジベルニーへと移り住んで来たからです。中でもアメリカ人の画家達はモネに続く形で、この土地の美しい風景を芸術の題材にして数々の絵画を残しています。そのため、20世紀の初め頃にはジベルニーの小さな町は、多くの芸術家にとってコロニー的な存在として知られていました。ジベルニーはパリからも日帰りで訪れることができる名所として人気なため、モネが暮らしていた家屋や庭園を一目見ようと訪れる旅行者が多く、特に春から秋のシーズンは賑わいを見せます。
見どころ
ジベルニーには、モネの家と庭園が残されています。モネが他界すると、彼の息子によって美術アカデミーへ寄贈され、大規模な改修工事が行われた後、クロード・モネ財団で一般公開が行われています。モネの家の外壁は、淡いピンク色が可愛らしい印象で、モネが暮らしていた当時の面影をそのまま伝えています。家の中に入ると、窓からは可憐な花々が揺れる庭を眺めることが出来ます。2階の窓からも庭を眺めることができますが、ここからの眺めは絵のように美しく映えます。家の中では、モネがコレクションしていた多くの浮世絵が飾られているのも特徴の一つです。外壁だけでなく、室内もキッチンにブルーが使われていたり、ダイニングは黄色が取り入れられていたりと、内装もカラフルな色彩に溢れていて、訪れる人の目を楽しませます。
家の目の前に広がる庭園では、手入れの行き届いた色とりどりの花々が咲き乱れています。庭には、彼が描いた有名な「睡蓮」のモデルになった蓮池も眺めることができます。しだれ柳、太鼓橋など、絵画の世界そのままの風景を楽しむことができます。庭園の風景の中には、一見すると日本の景色と似た場所を見つけることが出来るので、日本を愛していたモネに想いを馳せながら散策してもよいでしょう。春から秋にかけて訪れると、そこかしこで咲き誇る美しい花々の眺めを満喫することができるのでおすすめです。
ジベルニーには印象派美術館もあるので、印象派に関する歴史や関連するアーティストの作品群を堪能することができます。