エステルゴム大聖堂
エステルゴム大聖堂というのはハンガリー北部の都市エステルゴムにある建物です。
約西暦1000年、キリスト教国家として、国王イシュトヴァーン1世が築き、キリスト教国ハンガリーの始まりとされます。しかし、火災で修築したものの、トルコ軍の襲撃で破壊された後、1822年からおよそ50年もの年月を経て再建され、カトリック総本山として蘇りました。
大聖堂は、ドーム状で高さは100m、直径は53.3mの規模の壮大な新古典様式の建物とされます。空中から見ると十字架の形になっていて、声が天に届きやすいようにとの意味がこめられ音響効果が考慮された建築仕様にもなっています。建物の外の聖母マリア銅像には、王様の冠があります。これは、イシュトヴァーン国王の一人息子が亡くなった事で後継者を失い、冠を聖母マリアに託したと言い伝えられています。
大聖堂は、最も歴史的な美しい教会で、世界的にも有名な観光地でありますが、その前に、町のシンボル的存在であり市民の誇りでもあります。
見どころ
エステルゴム大聖堂は、ハンガリーの最大の規模で、外観の8本の大列柱が見事で、向かって左側の時計の右のレリーフには、載冠式の様子が描かれています。
内装は、絵画と彫刻が素晴らしく歴史感を醸しだし、窓から光が沢山入り、とても明るく、美しい装飾に照らされ、壮厳と壮麗と言う雰囲気が漂い、特に正面の1枚のキャンパスに描かれた聖母マリアの被昇天の祭壇画は、ベニスの画家ミケランジェロ・グレゴレッティ作で、世界最大級と言われて、また、天井の装飾には目を奪われる程、素晴らしく印象的であります。祭壇の左側には、赤大理石で造られたバロック様式のバコーツ礼拝堂があり、大聖堂より古い時代のもので、更に歴史感を物語っています。祭壇右側の宝物館には、歴代ハンガリーの肖像画や十字架をはじめ聖具など、約350品にも及ぶ貴重な品々が展示されています。更に図書館もあり、そこには、貴重な中世の書物が保存してあり見所満載です。また、大聖堂の地下には、旧ソ連に反対していた大司教ミンドセンティ・ヨージェフなどの墓石があります。
大聖堂の裏側からの見晴らしがすばらしく、更にドームまで上がって展望台からの景色は、ドナウ川や古い建物が一望でき、ドナウ川の向こうには、スロバギアの町が見えるなど絶景です。
大聖堂の南にある王宮博物館があり、鎧や銃剣、石器、土器などが展示されています。
また、大聖堂・城の地下の中世時代に造られた貯蔵庫を改装したレストランはロマンチックで料理とワインが味わえるのも魅力的です。