ブランデンブルク門
ブランデンブルク門はドイツの首都であるベルリンの町のシンボルとされている城門です。18世紀頃までのベルリンはプロイセン公国に属していて、都市全体が要塞に囲まれていました。当時の王であるフリードリヒ・ヴィルヘルム1世は市街地を拡大することを目的にこれらの城壁を廃止することにして、その代わりに新たに作られた市街地の周りにベルリン税関壁という城壁を設けました。
ベルリン税関壁には何カ所かの税関が設けられ、それぞれ「‾門」という名前が付けられました。ブランデンブルク門はこれらの税関の1つであり、ベルリンからブランデンブルクという都市へ向かう時に、商人達は必ずこの門をくぐっていました。19世紀に入るとフランスからナポレオン1世が攻め込んできて、ベルリンは一時占領されました。この時にブランデンブルク門に飾られていた勝利の女神であるヴィクトリアの像が持ち去られ、戦利品としてパリで展示されたと言われています。
19世紀後半になると、税関壁の多くが廃止され、門は撤去されてきましたが、ブランデンブルク門だけは当時の姿のまま残されることとなりました。第二次世界大戦後にはベルリンは西ドイツ側と東ドイツ側に分裂させられましたが、ブランデンブルク門は東ドイツ側に属し、1961年にベルリンの壁が建造された時に通行ができなくなりました。冷戦終了後にベルリンの壁が崩壊した後は、再度この門を通行することができるようになり、その後は国内外から観光客が集まるようになりました。
見どころ
ブランデンブルク門の見所としては、ラングハンスにより設計された、アテネにあるプロピュライアという、古代ギリシャ時代の有名な建造物であるアクロポリスの門を模して作られた奥行き11メートルにもなる横桁を支える6本のドリス様式円柱と、その間を抜ける5本通り抜け通路の造形的な美しさをまず挙げる事ができます。
また、ブランデンブルク門のそばにはパリ広場が建てられています。この広場は「ベルリンの応接間」とも呼ばれていて、広場の周りに並ぶ古い邸宅や高級住宅街、大使館などの美しい整然とした街並みを眺めて楽しむことができます。
さらに、ブランデンブルク門の両サイドにはリーバーマンハウスとゾマーハウスという双子の対となっている建物が有り、19世紀に流行した建築技法を楽しむことができます。
実際にブランデンブルク門へ観光へ出かけるときにはライトアップをされる夜に訪れることがお勧めされます。特に晴れの日の日没直後に訪れると、快晴の夕闇を背景に荘厳な雰囲気の色のライトで照らし出されたブランデンブルク門の姿は大変美しく、まるでCGのような不思議な幻想感を楽しめます。クリスマスの時期にはパリ広場の周囲を中心にイベントが開催されていて、門の近くには巨大なクリスマスツリーが飾られます。このクリスマスツリーに飾られた色とりどりのイルミネーションを眺めると、また普段と違ったこの門の美しさを堪能できることは間違いないでしょう。
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