ドイツ ツヴィンガー宮殿の観光・見所について

ツヴィンガー宮殿

ツヴィンガー宮殿

ドイツ、ザクセン州の州都、ドレスデンに位置するツヴィンガー宮殿。この宮殿の名前の由来は、ツヴィンガーという古い城壁と、新しい城壁の間に生じた場所という言葉からきています。元々は貴族たちが馬上試合等を行う場所であったようですが、1709年アウグスト強王が、石造りの宮殿を立てることを決定しました。
ここには、彼がヨーロッパ諸国を巡っていたという事実が強く反映されており、他国の建築様式に触発されたようです。この建築の計画は、次代にも引き継がれていき、新たな壮麗な建築物が建造されていきました。
19世紀に入ると、ツヴィンガー宮殿を美術館にしようという動きがあり、それに伴い改装を施されましたが、第二次世界大戦のさなか、爆撃によって大きな損害を受けました。この時は幸いにも美術品は他所に保管されていたのですが、ソ連による占領のさなか、多くの美術品が持ち去られ、いくつかが行方不明になったり、破壊されるという悲劇に見舞われました。

見どころ

ツヴィンガー宮殿は、世界的にも有名なバロック建築です。バロック建築の特徴である建物と装飾の複雑性、多様性がよく表れた非常に美しい建造物と言えるでしょう。そんな建造物の中でも有名なのが、多くのギリシャ神話の神々をあしらった王冠の門で、この門はアウグスト強王がポーランド王に就任した際に作られました。この他にも、その華麗さで名を轟かせる、ニンフの浴場という名の噴水も見所の一つと言えるでしょう。
また、ツヴィンガー宮殿の見所は、建物だけにはとどまりません。ドイツに存在するドレスデン美術館の一つ、アルテ・マイスター絵画館として活用されています。この美術館には、歴代のザクセン選帝侯が収集した多くのコレクションが展示されています。その中でも一際目を引くのが、ラファエロの傑作「システィーナのマドンナ」、世界的にも希少なフェルメールの絵画も所蔵されています。ルネサンス期の絵画、またそれに続くバロック期の絵画を鑑賞することが可能です。
この美術館の他にも、ツヴィンガー宮殿は4つの博物館が存在します。16世紀から18世紀にかけて計1万点以上の武器が収蔵された武器博物館、ドイツの技術発展のために集められた当時の最新鋭機器を展示した、数学・物理学サロン、世界でも最大規模の、中国、日本からの輸出品である陶磁器を集めた陶磁器博物館などです。