バレンシア
首都マドリッド、バルセロナに次いでスペインで第三の大都市がバレンシアです。人口は約80万人の地中海に面した街です。
バルセロナやマドリッドなど他の大都市とは特急列車や高速バスで結ばれており、市内にはメトロバレンシアという鉄道が4路線通じています。バレンシアオレンジという柑橘類の品種があるようにとても温暖で過ごしやすい地中海性気候の都市です。冬でも気温は平均して10度あり厚手のコートは必要ないほどで、夏場は24度とそれほど気温が上がらず、一年を通して快適に過ごせます。
バレンシアでの名物といえば、スペイン料理の代名詞と言えるパエリアで、パエリアの発祥地でもあります。米の産地でもあり、また地中海から豊富で新鮮な魚介類がとれるため、米と野菜、そして魚介類や肉類をふんだんに使った日本でいえば炊き込み御飯のようなスペインの食べ物です。
また、世界最最高峰とも言われるほどスペインサッカーリーグ、リーガ・エスパニョーラの強豪チーム、バレンシアCFの本拠地でもあります。
見どころ
バレンシアの魅力は世界遺産をはじめとする数々の古い歴史的な建物群、またスペインでも有数の博物館や美術館が集まる街であることです。
バレンシアの玄関口であるノルド駅を降りるとすぐに、闘牛場が現れるとてもスペインらしい街並みです。
街の歴史が古く、貿易の重要性から異民族との争いも絶えなかったために支配者もめまぐるしく変わり、市内にはキリスト教とイスラム教、そしてユダヤ教の影響を受けた建物が混在します。中でもイスラム王宮の後に建てられたラ・ロンハはゴシック様式の建物で、絹の商品取引所として活用され、世界遺産に登録されています。
そしてバレンシアといえばスペイン三大祭りの一つとされる「火祭り」の舞台です。一年をかけて作られたファヤという張子の人形が祭りの最終日にはすべて火を放たれ、それとともに花火なども盛大に打ち上がります。祭りの期間中に人気投票が行われ、上位2位のファヤは火をつけられずに市内の火祭り博物館に保存されるので、火祭り期間中でなくても博物館でその気分を味わうことができます。
市庁舎は火祭りのメイン会場であり、また内部の大理石の階段やホールが大変豪華なことでも知られます。
また、街のシンボルとも言える大聖堂(カテドラル)は、完成したのちも時の権力者がそれぞれ改築や改修を行ったため、ゴシック様式を基調としながらロマネスク様式やバロック様式が複雑に絡み合った建築様式となっています。
これら中世からの建物が残る一方、旧市街から少し離れた芸術・科学都市にはガウディの再来と言われる現代の建築家サンティアゴ・カトラバの近来的な建物が集まり、対照的な魅力を見せます。