スペイン グエル邸の観光・見所について

グエル邸

グエル邸

グエル邸(PALAU GUELL)は、「サグラダ・ファミリア」教会で世界的に有名な建築家アントニオ・ガウディの初期の頃の代表作品とされる建物です。彼の生涯の最大のパトロンであった実業家のエウゼビ・グエル伯爵の依頼により、彼の個人邸宅として1885年から1890年にかけ建築されました。1984年には、「アントニオ・ガウディの作品群」のひとつとしてユネスコ世界遺産にも登録されています。
修復工事のためしばらく閉鎖されていましたが、2011年から建設当時の状態に修復され見学することができるようになっています。グエル邸はイスラム教とキリスト教の建築様式が融合したムデハル様式を取り入れた「モデルニスモ建築」と呼ばれるスタイルの建築で、アルハンブラ宮殿の影響を受けているとも言われています。
建物の屋根に立つ煙突や地下室の柱などあちこちにガウディらしい意匠が取り入れられており、バルセロナ市内でも大変人気のある観光スポットの一つとなっています。
入場券は入口左手のチケット窓口で購入することができますがインターネットでホームページ上から事前に予約することもできます。なお毎月第1日曜日は入館が無料となっています。館内は専用の音声ガイドに従って見学するようになっており、日本語の音声ガイドもあります。
グエル邸はスペイン・カタルーニャ州の州都バルセロナ市の旧市街にあるラバル地区に立地し、ランブラス通りを少し下ったあたりにあります。最寄り駅は地下鉄3号線のリセウ(Liceu)駅で、駅からは徒歩でアクセスできます。

見どころ

【正面エントランス】入口の鉄製のアーチ型の2つの門には優美で曲線的な装飾が施され、カタルーニャの紋章をかたどった鳥の飾りが中央に取り付けられています。ガウディは25通りものデザインをこの門のために考えたそうです。
【馬小屋】音声ガイドに従って進むと、まず地下の馬小屋へと進みます。馬小屋の中はアーチ型の天井をいくつもの奇妙な形の大きな柱が支えています。ムデハル様式が取り入れられた空間は重厚な雰囲気を醸し出しています。柱には当時使用されていた馬具がそのままの状態で残されています。
【中央大広間】地下の馬小屋を抜けると、1階の階段を上って中2階へと向かいます。さらに上へ向かうとおよそ17メートルもの吹き抜けのドーム天井の大広間へと出ます。天井には採光用の小窓が取り付けられ、イスラム教の寺院のような荘厳さを漂わせます。大広間ではかつて客をもてなすためのコンサートや催し物が開かれ、楽団のステージやパイプオルガンなどがあって今でも時おり演奏されています。大広間を囲うように家族の部屋や食堂、ビリヤード場などが設けられておりそれぞれに豪華な装飾や意匠がふんだんに施されています。
【屋上】大広間のさらに上には寝室や屋根裏部屋があり、屋上のテラスへと続きます。屋上の中心部には採光用の塔があり、それを取り囲むように奇妙な形をした20本の煙突があります。ガウディ建築の大きな特徴であるカラフルな破砕タイルやガラス片などをモザイク上に埋め込んだ煙突は、この邸宅の中でももっともガウディらしい意匠だといえるでしょう。