スペイン 闘牛の観光・見所について

闘牛

闘牛

スペインの闘牛は900年以上もの古い歴史を持つ伝統の儀式で、牛と闘牛士が戦う競技として世界中に知られています。スペインでは国技とされているほど国民に親しまれ、元々は豊饒を祈願することと、神様に牡牛を捧げたことが始まりだと伝えられています。
スペインには5000以上もの闘牛場が存在し、その規模や興行する回数によって1級から3級まで格付けがされています。バルセロナやマドリッドでは毎週日曜日に興行が行われます。闘牛は日没の2時間前に原則として始まりますので、季節によっては開始時間が異なり、春・秋は18時頃で夏は19時頃が開始時刻とされています。観光客の多い3大祭り(バレンシアの火祭り・パンプローナの牛追い祭り、セビーリャの春祭り)の期間内はチケットがすぐに完売してしまうため、早めに入手することをおすすめします。闘牛場内は広いので、余裕を持って会場に入る方がよいでしょう。
勇猛な牛と勇敢な闘牛士とが繰り広げる手に汗握るドラマを体感してみてください。

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見どころ

【入場・カポーテの演技】闘牛場であるアレーナに闘牛士たちが登場した後に、雄々しい牡牛がやってきます。闘牛士たちはピンクのマントであるカポーテを使って、牛のスピードや、牛の癖などを見定めます。その際のマントを持って牡牛をかわす妙技は息を呑むほどです。
【ピカドールの場】防具が装着された馬にまたがったピカドール(槍方)が登場し、牡牛の首筋に目掛けて槍を突いて闘技の準備をします。牛が馬に衝突する音がアレーナ内に響き渡り、迫力が伝わります。この時にピカドールの突き所が悪いと牛は神経を痛めてしまうため、突進の気力と能力を奪われてしまうことがないようにピカドールには相当の技術が要求されます。
【銛撃ちの場】牡牛に喝を入れるために、バンデリーニョ(銛旗士)が2本の飾り銛を3人、計6本の飾り銛を牡牛の背中に撃ちます。バンデリーニョは牛が突進してくるのをギリギリのところまで迎えてから銛を打ち込むため、見ている側もハラハラする場面です。
【真実の瞬間】主役となるマタドール(闘牛士)が剣と赤い布を持って登場してきます。これは牛に最後のとどめをさす最高の見せ場です。はじめは赤い布で牛の方を見ることなく背面でかわすなど、圧巻の演技で見るものを圧倒します。最後に剣で牛の急所を一突きする場面はまさに一瞬の出来事。牛を苦しめさせることなく、一瞬でとどめを刺すことはマタドールの美学とされています。
どの場面からでも闘牛士と牛の切迫した闘いがたっぷりと満喫できる競技です。