スペイン セビリヤ大聖堂の観光・見所について

セビリヤ大聖堂

セビリヤ大聖堂

1401年に、イスラム教寺院を取り壊し、その跡地に大聖堂が建設されることになったとき、大聖堂の教会参事会は、次のように決定したと言われています。
「後世に見る人々がわれわれを狂人あつかいするほど大きな教会を建てよう」。
その決定通り、その後およそ1世紀をかけて建設された、このセビリヤ大聖堂は、スペイン最大の大聖堂であるとともに、ローマのサン・ピエトロ寺院、ロンドンのセント・ポール大聖堂に次いで、ヨーロッパで3番目の規模を誇っています。
どっしりとした外観は、ゴシック様式の時代の、最後の大聖堂のひとつであるとともに、その次の時代の様式であるルネッサンス様式の影響も見ることが出来ます。
また、幅の広い、独特のかたちは、メッカに近いほどよいとされたイスラム教寺院の影響からくるとも言われており、様々な時代の様々な要素が混在した、特異な姿をしています。
現在では大聖堂に付属している、高さおよそ98メートルのヒラルダの塔は、もともとは、12世紀末にイスラム教徒によって建設されたイスラム教寺院のミナレット(尖塔)が残ったものです。ヒラルダ(風見)の名は、塔の上にあって、風が吹く方向に回るブロンズ製の像からきています。現在では、町のどこからでもその姿を見ることが出来る、セビリヤの象徴になっています。
また、セビリヤ大聖堂には、ヒラルダの塔と同じく、かつてのイスラム教寺院の一部であった、オレンジのパティオも残っています。

セビリヤ大聖堂1

見どころ

前代未聞の豪華さと言われる主礼拝堂には、プラテレスコ様式の華麗な格子と、それに続く、聖書の場面が彫刻された、黄金に輝く木製の祭壇があり、その精緻にして豪華な彫刻の数々は見逃せません。
また、後ろに隠れていて、見づらくなっているものの、15世紀につくられた壮麗な合唱壇も、見所のひとつです。
後ずさりしなければよく見えないほどに巨大なアーチをくぐって入る、王室礼拝堂には、中央の主祭壇の両側に、アルフォンソ10世と、その母、ベアトリス・デ・スアービアの墓があり、典型的なルネッサンス様式の格天井とともに、その圧倒的なスケールに息をのむことになるでしょう。
周囲の小礼拝室でも、数多くの芸術作品を鑑賞することが出来、中でも、サン・エルメネヒルド礼拝堂にあるデ・セルバンテス枢機卿の墓や、サン・アントニオ礼拝堂にある、ムリーリョ、ヨルダンス、バルデス・レアルの絵などは、大変素晴らしく、見所に事欠きません。
また、王が馬で登ったとされるゆるやかなスロープをたどって、ヒラルダの塔に登ると、地上70メートルの高さに展望台があり、セビリヤの町を一望する素晴らしい眺望を得ることが出来ます。
大聖堂を出て、付属するオレンジのパティオに入れば、1552年に出来た、ムデハル様式の好例である、免罪の門を見ることが出来ます。そこからの眺めは大変美しく、その写真のような風景も、大きな見所です。