サン・セバスチャン
サン・セバスチャンはドノスティア(バスク語)とも言うスペイン、バスク地方にあるギプスコアの都市です。観光の町として世界中から多くの観光客が訪れていますが、中でも食文化が発展しているため「美食世界一の町」ともいわれ、地元バスク料理に留まらず様々なグルメに巡り合う事ができます。
また大西洋に面したサン・セバスチャンは、ビスケー湾の真珠と呼ばれるほど美しい町並もその魅力の一つです。花や観葉植物が飾られた白壁の細い路地を散歩するだけでも気持ちが良く、夏の晴れた日には海岸で海水浴やマリンスポーツを満喫する事もできます。
サン・セバスチャンはフランスから20km程しか離れておらず、1808年のスペイン独立戦争でフランスのナポレオン1世によって占領されてしまいます。その後イギリス、ポルトガルの解放軍によって奪還されますが、自制を失った解放軍によって町の多くが焼き払われてしまいました。サン・セバスチャンはその後も波乱の運命を辿り、美しいその姿の中にも悲しい時代の名残が今も残されています。
見どころ
【美食の町でバル巡り】ピンチョスと呼ばれる、ちょこんとした可愛らしい料理をおつまみに、地元産ワインからビール、シェリー酒など気軽に楽しめます。中には高級食材フォアグラを出すバルもあり、フォアグラ目当てで訪れる観光客がいるほどの美味しさです。また、試飲感覚でワインを楽しみながらお気に入りの一本をお土産にしてみてたり、夏の暑い日は朝からバル巡りというのも良いかもしれません。
【モンテ・ウルグル】マリンリゾートが楽しめるラ・コンチャ海岸のすぐ近くにあり、頂上からの眺めは大変美しいものとなっています。スペイン独立戦争時代には軍事拠点として使われていましたが、サン・セバスチャンが観光地となってからは歴史博物館として利用されています。
【イベント】7月には海辺でジャズフェスティバル、9月には世界的に有名なサン・セバスチャン映画祭が開催されています。また1月20日はサン・セバスチャンの日として、二種類の衣装を着た市民がタンボラーダと呼ばれる太鼓と水汲み樽を叩いて町中を練り歩く、ユニークなお祭りが催されます。参加者がナポレオン軍兵士とコックの衣装に別れているこのお祭りは、サン・セバスチャンがフランスに占領されていた当時、ナポレオン軍の兵士が町の門の開閉の合図を告げるために叩いていた太鼓を揶揄し、コックたちが水を汲むために持っていた樽を叩いて馬鹿にしたのが起源とされています。町のお土産にもこのお祭りにちなんだ太鼓を手にする兵隊やコックの人形が売られています。