アルハンブラ宮殿
アルハンブラ宮殿は、スペインのグラナダ市南東の小高い丘の上にあります。スペイン南部のアンダルシアにあるグラナダは、町全体が国の記念物に指定されており、多くの文化遺産やモニュメントがある魅惑的な観光都市です。イスラム建築の最高峰「アルハンブラ宮殿」と、王族の避暑地であった「ヘネラリフェ」、イスラム教徒の居住地であった「アルバイシン」地区の3つを併せて、ユネスコ世界遺産に登録されています。
イベリア半島は、8世紀から15世紀末までイスラム王朝の統治下にありました。その最後の王朝であるナスル朝は、グラナダに首都を置いていたためグラナダ王国とも言われます。
イスラム教徒最後の砦となったグラナダのアルハンブラ宮殿は、王の住居や学校、軍事施設、庭園など様々な施設が集まった城塞都市で、その構造物は別々の時代に建てられたため、様々な建築様式が見られます。最初は9世紀に建築された軍事施設(アルカサバ)のみでしたが、ナスル朝時代に、200年もの歳月をかけて王宮が建築されました。そして、キリスト教徒のレコンキスタ(国土回復運動)により、1492年にグラナダが陥落したのち、1527年にカルロス5世がルネサンス風の宮殿を建てました。その後もカトリック教国らしく、モスクを教会に変えて礼拝堂などが建築されました。
アルハンブラ宮殿には、アラブ建築の贅を尽くした建物と、イタリア様式の最高傑作とも言われるルネサンス風の建物が併存しており、その至高の芸術的構造物の素晴らしさと、イスラム王朝の栄華を彷彿とさせる雰囲気は、世界中から訪れる観光客を魅了し続けています。
見どころ
アルハンブラの森を抜けると、アルハンブラ宮殿の入り口「裁きの門」があります。門の上の5本指の彫刻は、イスラム教の五戒を表しています。この門をくぐるとチケット売り場があり、当日券を求める人や予約券を入場券に引き換える人で長蛇の列ができますので、事前予約と入場券引き換えが済んでいる人は、カルロス5世のゲートから入場すると良いでしょう。
宮殿内の見所は、「アルカサバ(城塞)」「カルロス5世宮殿」「王宮」「ヘネラリフェ(離宮)」と、大きく4つに区分できます。
左手奥に行くと、最も古くに造られた「アルカサバ」があります。今では廃墟と化していますが、「ベラの塔」からの眺めは絶景で、グラナダ市全景やシエラネバダ山脈が見渡せます。
入口正面にあり、王宮と隣接して建てられた「カルロス5世宮殿」は、ルネサンス様式の建物の中に、ローマの円形劇場を想わせる円形の中庭があります。ここでは優れた音響効果を利用して音楽祭が開かれます。2階建ての回廊の1階にはアルハンブラ博物館、2階にはグラナダ県立美術館があります。
どこを見ても豪華絢爛な「王宮」は、細かい幾何学模様や草花模様などのアラベスク模様が素晴らしく、見所満載です。「メスアールの間」「アラネヤスの中庭」「大使の間」「ライオンの中庭」「パルタル庭園」等々、美しい庭や建造物の数々はどれも見逃せません。
別荘として建てられた「ヘネラリフェ」は、細長い池と噴水や、緑と花が溢れる見事な庭園です。ここからはアルハンブラ宮殿を見渡すことができます。
見学の際には、入場制限もあるため事前の予約とチケット引き換えが無難です。入場券付きの日本語ツアーもお勧めです。
グラナダ発 予約困難!アルハンブラ宮殿の入場券(日本語オーディオガイド付き)
アルハンブラ宮殿の入場チケットと、宮殿内&グラナダ市内の見所の案内が聞ける日本語オーディオガイドがセットになっています。アルハンブラ宮殿は入場制限が設けられており、なかなか予約が取れません。事前...