ハルシュタット
ハルシュタットとは、オーストリアの中部にあるオーバー・エースターライヒ州に位置し、「世界で最も美しい湖畔の町」と称賛される景勝地です。
ザルツブルグからも、鉄道を利用して2時間程度で行くことができる町で、湖水地帯として知られるザルツカンマーグート地方でも最奥部にあります。オーストリア帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世によって別荘が建設され、湖畔の町並みの美しさが際立つ町ハルシュタットとダッハシュタイン山塊は世界遺産にも登録されています。
ハルシュタットという町の名前は、塩を意味するケルト語の「ハル」と、ドイツ語で場所を表す「シュタット」に由来していて、塩の町という意味を表しています。町外れには、世界で最も古いとされる2500年以上昔の岩塩抗があり、今でも採掘は継続されています。その昔、岩塩は白い黄金と呼ばれたほど高価なもので、岩塩がもたらす富によってハルシュタットの素晴らしい町並みが維持されたと伝えられています。
見どころ
ハルシュタットの語源にも関係している岩塩抗では、世界最古と称されながらも、今に至るまで採掘が続けられています。岩塩抗には、ケーブルカーによる見学ツアーが利用できますが、途中から眺める町の景観はまさに絶景で、青く澄んだ湖と緑の山、そして絵に描いたような家々が溶け込む様子を一望できます。岩塩抗に到着すると、旅行者は作業着に着替えて当時のままの姿のトロッコに乗り、岩塩抗の奥部へと進んで行きます。先史時代から岩塩を採掘していた人々が使っていた道具などを見学することができますが、木でできた滑り台を実際に滑っていくユニークなアトラクションまで用意されています。
特産の塩は、ハルシュタット土産として何軒かの店でナチュラルソルトとして販売されています。ハーブ入りタイプや、ガーリック、チリ味などバリエーションも楽しめるので、実用的な土産物を探している方におすすめです。
また、ハルシュタットの町の中心部には、マルクト広場という広場があり、おとぎの国のような可愛らしい建物で囲まれています。まるでメルヘンの世界に迷い込んだような雰囲気の広場には、湖で収獲されたニジマスを塩焼きにしたものや、この地方ならではの郷土料理を味わえるレストランがあります。
ハルシュタットに関する歴史を辿りたいなら、博物館に立ち寄って遠い昔に思いを馳せることができます。この博物館では、石器時代から現在に至るまでのハルシュタットのそれぞれの時代の様子を垣間見ることができます。
ザルツブルクを基点にしてハルシュタットを訪れるツアーもあります。