ホイリゲ
ホイリゲはオーストリアにおける自家製のワインだけを出す酒場のことです。17世紀末にオスマン帝国との戦争でウィーン市内のワインが品薄になった為、市民が郊外へワインを買出しに行ったのが始まりといわれています。
1789年当時の神聖ローマ帝国皇帝のヨーゼフ2世によってウィーンの農家に自家製ワインを販売して良いとの許可を発令し、毎年聖マルティン祭の日(11月11日)に樽を開け、その年の新酒を向こう一年売ります。ホイリゲは「今年の」を意味して、その年の新酒となります。
ホイリゲでは黒パンやピクルス、ゆで卵、肉の燻製など簡単な家庭料理を自分で皿に取る形式を行う店が多いです。それらを自宅や庭で客に供する酒場をホイリゲと呼ぶようになっています。ハイキング客や近所の人達が三々五々集まってきて、夕方から夜にかけてはシュランメル楽団によるヴァイオリンやアコーディオンの演奏と歌を楽しむことができます。ウィーン郊外には9箇所の有名なホイリゲがあります。
見どころ
ホイリゲは小さな店が多く、主人が自分で育てた葡萄で醸造したオリジナルのワインを提供、店の軒先に針葉樹の木の枝(松や樅など)を束ねたものを吊るすのが新酒のできた印となります。ホイリゲの主人の中にはワインが無くなると、次の年まで店を閉めてしまう者もあるそうです。
ホイリゲは農家の庭先に客人が集まり、ワインを飲みながら民謡や雑談を楽しんでいるような雰囲気なのです。飲み物はテーブルで注文を受けてくれますが、食べ物は自分でカウンターなど置いてある所まで取りに行って購入します。料理もチーズや燻製の肉やハム、ソーセージなど素朴な手料理で作り置きされた物が基本です。そして量り売りなので、自分で欲しいだけ何グラムというように購入します。ワインは白ワインが多く、甘口ではなく辛口となっています。注文すると出てくるのは250ミリリットルのジョッキ、大人数であれば1リットル単位でもお願いできます。
アルコールがあまり強くない人や子供には「トラウベンサフト」というぶどうジュースがあります。大人の方であれば炭酸水で割ることもお勧めできます。他に「モスト」も葡萄のジュース、「シュトルム」はアルコール度数が1パーセントくらいの飲み物もあります。(8月1日から12月31日まで販売できる)路面電車38番の終点グリンツィングとその周辺には有名なホイリゲが多数点在しています。シーヴァリンク・マウラー・オーバーラァなどの郊外を歩いて賑やかな店に足を踏み入れてみてはいかがですか。ただし終電は12時くらいとなっていますので気をつけてください。
ウィーン発 【プライベートツアー】 専用車で行く ホイリゲ・ディナーとモーツァルトコンサート鑑賞
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