ウィーン国立歌劇場
ウィーン国立歌劇場はオーストリア・ウィーンにある歌劇場です。ケルントナー通りとリング通りが交わる街の中心部に位置しています。イタリア・ミラノにあるスカラ座と、アメリカ・ニューヨーク、リンカーンセンター内にあるメトロポリタン歌劇場と並ぶ、三大歌劇場のひとつとしても有名です。2100人を収容できる広さを持ち、ネオルネッサンスの建築様式となっています。
ウィーンは、その昔、ドイツと北イタリアを支配するハプスブルク君主国(神聖ローマ帝国)の首都であり、ドイツとイタリアのオペラの中心地でもありました。その土地に歌劇場の建設計画が持ち上がり、1869年、モーツアルトの「ドン・ジョバンニ」の上演でこけら落としがなされました。それ以来、非常に多くの上演を精力的に行い、世界に名だたる歌劇場へと成長を遂げました。作曲家ワーグナーが初めて公演した場所としても知られています。その後、1945年には連合軍による爆撃を受け、舞台が破壊、火災にも見舞われ、多くの大道具小道具、衣装を失うことになりました。現在の建物は、1955年に再建されたものです。
世界的名だたるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の母体であるウィーン国立歌劇場管弦楽団は、この歌劇場の専属オーケストラでもあります。
なお、ウィーン国立歌劇場では、年に一度、大きな舞踏会が開かれます。オペラ座舞踏会と呼ばれ、世界各国から著名人・有名人が集います。衣装はフォーマルで、女性は舞踏会用のロングドレス、男性は燕尾服着用。華やかで非日常の世界を味わえるイベントとして多くの人に愛されています。
見どころ
ウィーン国立歌劇場では、年間300日、オペラやバレエの上演が次々と行われています。これは、世界でも最多の公演数を誇るといわれています。また、鑑賞のためのチケットですが、座席のレベルによって値段が幅広く設定されています。日本からインターネットで購入することも可能なので、旅行前に予約しておくとよいでしょう。また、非常に低価格で超一流の舞台を楽しめる立見席もあり、人気があります。
さらに、休演日であるとか、特に見たい演目がないという場合には、ウィーン国立歌劇場内を見学するツアーに参加するのもよいでしょう。大体40分くらいのツアーで、豪華で歴史ある宮殿のようなウィーン国立歌劇場の内部を、あちこち見学することができます。ガイドの面白エピソードを聞きながら、オペラの舞台を鑑賞するだけでは知ることのできない舞台裏や、皇帝の休憩室を見せてもらえるなど、充実度の高いツアーとして知られています。いろいろな言語のガイドが揃っているので、好みの言葉に合わせて参加するのもよいでしょう。
また、ウィーン国立歌劇場は、夜になると美しくライトアップされます。その姿は、とてもロマンチックで優雅なたたずまいで一見の価値ありです。デートにも最適のスポットとなっています。
さらに、立地条件が非常によく、交通の便もよいところにもあります。近隣にはオシャレなレストランやカフェがたくさんあるので、上演の前に素敵なディナーを楽しむこともできるでしょう。