システィーナ礼拝堂
システィーナ礼拝堂は、ヴァチカン市国のヴァチカン宮殿内にある礼拝堂で、次期教皇を選出する会議であるコンクラーヴェを開催する際に使用される他、様々な行事を行う際にも使用され、また教皇の執務室の役割も担っています。
システィーナ礼拝堂の建設は1473年から1481年の間に行われ、時の教皇シクストゥス4世の命によって建てられました。元々の場所にはマッジョーレ礼拝堂という古い礼拝堂が建てられていましたが、壁が傾くほど傷みが激しく、崩壊する前に建て替える必要がありました。
この礼拝堂で行われる最も重要なイベントはコンクラーヴェと呼ばれる次期教皇を選出する会議で、枢機卿団の選挙投票によって選出されます。かつては次期教皇が選出されるまで枢機卿団のメンバーはこの礼拝堂内で生活をすることを余儀なくされていましたが、現在は投票する際にだけこの礼拝堂を使用しています。
外観がルネサンス期のよくある教会堂とさほど変わらないこの礼拝堂が世界的に有名なのは、その内装、すなわち天井や壁面に描かれたフレスコ画等の芸術作品が理由で、ミケランジェロを筆頭にボッティチェッリやぺルジーノなど錚々たる芸術家達の作品が壁から天井にかけて描かれています。その中でも特にミケランジェロの作品、天地創造を題材にした『アダムの創造』はとても有名で、複製品がたくさん作られ、また、この作品を見る為に毎年たくさんの観光客がこの礼拝堂を訪れます。このフレスコ画の制作を教皇ユリウス2世に依頼されたミケランジェロが自分は彫刻家だという自負から当初は乗り気ではなく、また戦争中には制作を中断して彫刻活動に復帰したエピソードが有名です。
見どころ
【システィーナ礼拝堂の代名詞であるミケランジェロ作の天井画】システィーナ礼拝堂といえば、やはりミケランジェロが描いた天井画でしょう。この天井画は旧約聖書の創世記を題材に描いており、「神による世界の創造」、「最初の人類であるアダムとイヴが神によって創造され、そして楽園を追放されるまで」、「大洪水による厄災とノアの箱舟での生還」の3つの場面が、『光と闇の分離』、『アダムの創造』などの作品名で9つに分けられ描かれています。厳密には場面がきっちりと分けられているのではなく、それぞれの場面がお互いを補完する形で描かれています。
【祭壇壁画の最後の審判】ミケランジェロは幼少期をイタリアのフィレンツェで過ごし、当時のフィレンツェの有力者であるメディチ家が創設したアカデミーで多くの人文主義者達と交流または彼らから教育を受けており、純粋なカトリック派とは宗教的な考え方が異なっていました。そのような傾向はこの『最後の審判』にも表れており、人物達が裸で描かれていることに関して儀典長のビアジョと対立し、その腹いせにミケランジェロは最後の審判の中で彼を悪魔の一員として描いています。
【北壁面や南壁面のボッティチェッリやぺルジーノの作品】この礼拝堂にはミケランジェロ以外にも名だたる芸術家の作品が描かれており、南壁面のボッティチェッリの『モーセの試練』や、北壁面のぺルジーノの『キリストの洗礼』などの作品を見ることができます。
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