マテーラ
マテーラは、イタリア共和国のバジリカータ州に位置する都市で、ちょうどイタリア半島をブーツに例えれば、くるぶし部分に当たる場所です。
サッシという名称で呼ばれている洞窟住居があることで有名なマテーラですが、独特な雰囲気を漂わせる景観と、町自体の構造が非常に複雑になっていることから、観光客をはじめ沢山の芸術家や建築家を惹きつけて来ました。住居として洞窟を利用しているだけではなく教会なども洞窟で作られており、教会は様式も美しく、建造物には様々なスタイルが織り交ぜられています。8世紀頃から13世紀頃、東方から来た修道僧たちがこの地に住みついたとされていて、幾層も重なる石灰岩でできているために世界でも類を見ない不思議な雰囲気の景色を見ることができます。
また、マテーラは洞窟住居を見学するだけでなく、質の良い小麦が収穫できる土地として名が知られています。ここで作られるパンは絶品で、町でも一番人気の名物です。パンの他にもパスタなどの小麦を使った郷土料理を味わうことができるのが魅力で、大きなテラコッタの壺を使って作られる豪快なスープもあります。
見どころ
サッシと名付けられている洞窟住居は、観光客に人気のスポットです。市街地を一望すると、洞窟が岩山のように重なる不思議な眺めが作り出されています。そのユニークな景観は、色々な映画のロケ地としても使われているほどです。サッシの中心部には、13世紀頃に建てられた石造りのドゥオモと呼ばれる大聖堂が存在します。ドゥオモの北側には、サッソ・バリサーノという地区が、そして南側にはサッソ・カヴェオーソという地区があります。石灰岩から作られているサッシは、岩肌をよくよく観察してみると、その昔は海底だったことを示すように、貝殻の化石を発見することができます。
この町並みをゆっくりと遠くから展望したいなら、サッソ・カヴェオーソ地区にあるサン・ピエトロ・カヴェオーソ教会の周辺部が最適で、グラヴィーナ渓谷に広がる岩壁部分に作られている洞窟や、周辺に広がっているサッシの眺めは圧巻です。
サッシには洞窟住居に手を加えた宿泊施設もあり、こうした宿泊施設に泊まると洞窟で寝泊まりするという忘れられない思い出を作ることができます。また、洞窟の中には、最新の機械を導入しているお洒落な雰囲気のスポーツジムとして利用されているところもあります。昼間に観光するのも良いですが、夜には街並みに光が灯されるので、息を飲むような幻想的な美しさが広がります。
また、マテーラではレストランの数も多いため、ワインとともに美味しい料理を楽しむことができます。