チヴィタ・ディ・バニョレージョ
チヴィタ・ディ・バニョレージョは、ラツィオ州の北部、ウンブリアとの州境にある切り立った崖の上に建つ町です。今から2500年以上も前にエトルリア人によって造られました。チヴィタ・ディ・バニョレージョに向かう際、町を遠くから眺めると、その姿はまるで天空の城のようです。この町の周囲の崖は今も風化が進んでおり、このまま行けば町自体が無くなってしまうと考えられており、「死にゆく町」ともいわれています。住民も現在では20人ほどしかいません。
チヴィタ・ディ・バニョレージョは、今から300年ほど前の地震でまわりが陥没し、風化してできたといわれています。町に入る手段は、300メートル以上もある唯一の橋を渡るしかありません。40年ほど前はこの橋を渡って食料や生活用品をロバで運んでいました。その不便さから今やこの街に住む人は数世帯の住人と観光客を対象にしたレストランやみやげ店の従業員だけとなっています。
町の中は、現代から切り取られた中世の建物や時が止まったかのような美しい路地などが残り、多くの観光客が訪れる場所となっています。
見どころ
チヴィタ・ディ・バニョレージョの手前にある展望台からの眺めは、春は菜の花が広がり、新緑の夏、紅葉の秋、雪が降り積もる冬など、季節毎にそれぞれの景色を楽しむことができます。城壁で囲まれたチヴィタ・ディ・バニョレージョの町は、外観は断崖絶壁に建つ険しいイメージですが、街の中は明るさや美しさが広がっています。黄褐色のレンガで造られた建築物が多く残り、中世の息吹を感じることができます。
町の中心の広場には、ロマネスク様式の教会・聖ドナート教会や司教宮殿、1500年代の粉ひき場、2匹のライオンが足をかけたサンタマリア城門などがあります。
チヴィタ・ディ・バニョレージョのこじんまりとした町中を散策すると、小さな発見がありいろいろと楽しめます。静寂の中に響き渡る教会の鐘の音は特に印象に残るでしょう。