大英博物館
大英博物館は、ロンドンのラッセル通りにあります。世界各地から集められた考古学的な遺物や美術品などが、収蔵・展示されており、世界一の博物館と言われています。古今東西から集められた収蔵品の数は約800万点にも及びます。
1753年に設立され、医師で古美術収集家のハンス・スローン卿のコレクションを中心に、コットン蔵書とハーレー蔵書を収蔵し、1759年に一般公開されました。その後も美術品や蔵書が次々寄贈され、展示品も急増し、1857年には中庭に円形閲覧室が建てられました。また、イギリス国内だけでなく、国外から持ち帰った文化的・歴史的に貴重な遺物も数多く、大英博物館のコレクションは瞬く間に増え続けたのです。そして、何度か増築され、全長4kmもの大きな博物館となっています。1881年には、サウス・ケンジントンに自然史博物館を開館し、自然史関係の分野を独立させ、1997年には、セント・バンクスに大英図書館を造り、博物館と図書館を分離しました。
大英博物館は、大英帝国の栄光を後世に伝えるだけでなく、古代エジプト、メソポタミア、ギリシャ文明の考古学的遺物や、インド、中国、東南アジア、日本の美術品なども収蔵・展示している、世界最大級の博物館です。今もなお研究が続けられる中で、新たな発見となる所蔵品もあるほどです。
また、研究だけでなく教育にも力を入れており、学校向けや成人向け、家族向け、移民向けなどの各種プログラムほか、修士課程の高レベルなプログラムも提供しています。
見どころ
大英博物館の正面は、44本のギリシャのイオニア式円柱が支えている特徴的な外観です。収蔵数約800万点のうち、約15万点が展示されており、世界中から年間700万人が訪れます。
基本的に入場料は無料で、その代り館内の各所に寄付箱が設置されており、その時払える分だけを寄付するスタイルになっています。また、年中無休というのも観光客にはありがたいのですが、1週間あっても観きれないほどの規模です。
まず、1階突き当りは有名な円形閲覧室ですが、現在は一般の入場は禁止されています。1階東側の写本室には、シェークスピアの直筆原稿、ベートーベンやバッハの楽譜原本、マグナカルタの写本などが展示されています。1階西側には、象形文字の解読の手掛かりとなったロゼッタ・ストーンや、アテネのパルテノン神殿の彫刻など、エジプトやギリシャ文明に関する遺物や彫刻などがあります。1階北側には、インド・中国・日本・東南アジアなど東洋の美術品が揃っています。そして、1番の見所ともいえるのは、2階のエジプト室にあるミイラと棺です。その他、死者の書やテーベの墓の壁画なども展示されています。
大英博物館の1コーナーである日本ギャラリーだけでも、300点ほどが展示されているほどの大規模な博物館ですから、見所を押さえるためには、日本語ツアーに参加するのも良いかもしれません。
以前は図書館だった1階中央グレート・コートは、ショッピングセンターになっています。博物館ならではの高価な宝飾品もあれば、手ごろなお土産も販売されていますし、色々なスタイルのレストランやカフェもあって楽しめます。