テムズ川
イギリスのテムズ川は、南イングランド地域を流れる総長346キロメートルの長さを誇る河川です。この川の源流はコッツウォルズの丘近辺のグロスターシャーに源泉があります。そしてそのケンブル村の源泉を起点とし、このテムズ川はオックスフォード、レディング、メイデンヘッド、ウィンザー、そしてロンドンの街を流れ、最後はロンドンの市街地で海に流れ着きます。そしてこの河川は、ただ市街地を流れるというだけではなく、近隣の郡の目印と境界線としても使われています。
この川の起源は、遥か60万年前の氷河期までその歴史をさかのぼると言われています。この河はかつての氷河期に時期にその大本が形成され、かつては現在北海とされる場所を通り、ライン川に流れ込む主流の一つでした。そして45万年前ほど前に氷河期が終わると、現在の形へとほぼ落ち着いたのです。
このテムズ川が人の歴史の中に最初に確認されるのは、ローマ人が現在のロンドンに入植してきた時代の紀元前であり、ローマの政治家で貴族であった、あのカエサルやタキトゥスがこの川をガリア戦記に書き残しています。またあのジュリアス・シーザーもこの川の事を記録しています。
このテムズ川の名前の由来は、太古の昔よりこの地域に住んでいたケルト民族がこの川を名づけた名前を、そのままこの地域をかつて収めたローマ人が使用し、この名前が定着したと言われています。
そして今も昔もこの川は、この地域の人々にとって経済繁栄の象徴とも言える川です。
見どころ
このテムズ川の周辺、特にロンドンのエリアには、様々な有名な観光地が多く存在しています。最も有名なテムズ川沿いの観光地といえば、ロンドン塔でしょう。この古城は1080年頃にヘンリー3世の手によって完成したお城であり、かつての要塞でした。このお城には様々な伝説や言い伝え、そして歴史が残り、また現在でも英国王室の儀式などに利用されている古城です。このお城は世界遺産にも選ばれ、今なお多くの人の心を捉えて離しません。
そしてこのロンドン塔の向こう岸に渡るには、あの有名なタワーブリッジを利用します。この美しい橋は、その頂上の部分は展望台になっており、多くの観光客で賑わいます。
そしてこのタワーブリッジを渡ると、とてもユニークな形をした、ロンドンの市庁舎があります。そしてこの市庁舎を目印にテムズ川の岸辺を西に足を伸ばせば、あのシェイクスピアが数々の名作を上演した、シェイクスピア・オブ・ザ・グローブ、かつての工場を再利用してつくられたモダンアート美術館、そしてあのダイアナ妃が結婚式を挙げたセントポール寺院等を見ることが出来ます。そしてその先には大きな観覧車として知られる、ロンドン・アイ、ロンドン橋、そしてウェストミンスター寺院などがあり、この川の周りには、数多くの世界に名だたる観光地が数多く立ち並んでいるのが特徴です。またこのテムズ川の護岸沿いには、数多くのイングリッシュパブなども軒を連ね、旅情を更にかき立ててくれます。