グローブ座
グローブ座、この劇場は世界で最も有名な劇作家が、数多くの作品を披露した場です。
その誕生は、エリザベス朝時代の英国にまで遡り、この建物は1599年、ロンドン郊外、テムズ川の南端に建設されました。シェイクスピアは、この劇場を建設するにあたって、株主の一人となり、そうすることによって、彼は巨万の富を得ることに成功したのです。
このように彼は、この時代で最も成功した劇作家でした、しかし、彼の名があまりに有名であることで、彼には様々な説が存在します。それほどまでに、彼は有名な劇作家であり、また謎めいた人物です。
そうした、彼の異説の中でも有名なものの一つに、彼が書いた作品が実は別の人間によって書かれたものであるという説です。この説の根拠となっているのが、彼の学歴、彼は学校を中退していたという記憶から来ています。そうした学歴がない人物が、あれほどまでに豊富な語彙を用いて作られた作品を完成させることができたのかと疑問視されたのです。そのため、彼が書いた作品に、本当の作者はこの人だという説が数多く出されました。このように、彼の人生には数多くの謎が残されています。
また、彼の劇場でもあるグローブ座も数奇な運命をたどることとなったのです。この時代は、まだ表現の自由が確立されていませんでしたから、国王の意向によっては、劇団を閉鎖しなければならないということもありますし、事実グローブ座はピューリタン革命の煽りを受けて閉鎖に追いやられ、当時猛威を振るった伝染病のために閉鎖したこともあります。
見どころ
グローブ座の見所は、まずはなんといってもこの劇場で開演されるシェイクスピアの劇でしょう。ロミオとジュリエット、オセロー、リア王、ハムレット、これらの作品は日本でもなじみの深いものです。しかし、これらの作品の日本語に翻訳されたことによって、本来の形とは異なるところが存在し、例えば、ハムレットの有名なセリフに、これは翻訳されたものですが「生きるべきか死ぬべきかそれが問題だ」というセリフが登場します。しかし、これは英語の原本と見比べた際にどこか違和感を感じてしまうセリフです。このよう劇をはじめとした文学作品には、原文でしかわからない良さが存在するので、原文での公演で、そうした違いを体感出来るというのも大きな見所の一つです。
もう一つ注目するべき点は、グローブ座の構造です。グローブ座は、複雑な政治状況など、様々な要因のせいで閉鎖してしまい、現在存在している物は、1997年にシェイクスピアの時代のものを再現しようという試みのもと建造されたものです。
このグローブ座と日本には大きな繋がりが存在し、それは、1988年に東京グローブ座が建設されただけにとどまりません。建設にあたって、多くの研究者たちが当時の劇場を忠実に再現するために、資料を集めました。そうした中、参考にされたのが、歌舞伎や能などの日本の伝統演劇なのです。こうした日本の演劇が当時の形に近いと考えられたためですが、もし、ここに訪れる機会に恵まれたなら、日本の演劇の舞台と見比べてみれば、新しい発見があるかもしれません。