タラの丘
アイルランドのタラの丘は、ミース州ナヴァンの南方12キロメートル付近に位置する丘です。この丘は、アイルランドに言い伝えられる伝説上の王たちの国が、かつてこの丘に存在したと言われている丘陵地帯なのです。
これらの言い伝えられている伝説では、かつてこの地にケルト族より前に居住していたTuatha DeDanannが、この場所に居を構えていたと言われています。そして最近の発掘作業や研究でも、この場所からは今から五千年前ほどの前の、新石器時代の遺跡の一部が発見されています。
丘の頂には鉄器時代の要塞跡も残されており、かつてこの地が重要な政治と精神的な中心の地であったことを、色濃く伺わせてくれます。
あの有名なアメリカ映画、風と共に去りぬの主人公である、スカーレット・オハラが劇中で故郷としていた場所も同じくタラという名前であり、主人公の父親がアイルランド出身であり、この丘の名前からその主人公の住む場所の名前が選ばれています。このことからも、この場所がアイリッシュと呼ばれる人たちにとって、非常に神聖であり重要な聖地であることを、私達に伝えてくれます。
見どころ
アイルランドのタラの丘は、この周辺を一望できる広大な草原の丘陵地帯に位置しています。そしてこの丘から伝説に思いを馳せながら眺める、青々としたアイルランドの緑は、まさに格別と言える絶景でしょう。丘の頂上には、鉄器時代の要塞跡が今なお残されており、この要塞は王の砦、Raith na Ringと呼ばれており、その周囲は1000メートル程となっています。そしてこの要塞は円形の砦、コーマックの居城(Teach Chormaic)と、王座(Forradh)と連結しており、この丘の大きな見どころとなっています。そしてそこからの眺めは、まさにかつての王の特別な座であったことを伺わせてくれるように、広大な草原を一望しています。そしてそこからの眺めは、かつての王の神聖な伝説を蘇らせてくれるような錯覚にまで陥ることでしょう。
そしてこの王座の中心部には男性器を模したと考えられている、立石(Lia Fail)も残されており、この立石は、運命の石(Stone of Destiny)ともよばれており、この地にかつて存在したと言われている伝説の上王は、この場所で即位と戴冠式の儀式を行ったと言い伝えられています。そしてこれらの円形の要塞の北側には、捕虜の墓(Dumha na nGiall)と呼ばれる新石器時代の羨道墳を望むことが出来ます。
この丘に辿り着くまでの道のりは、なだらかなこの地域特有の田舎道がゆったりと続き、快適なドライブを楽しめるのも、大きな魅力でしょう。