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イタリアソムリエ協会のマスターソムリエの資格を持つ、うしおゆにこ です。
少し間が開いてしまいましたが、前回は、ピエモンテ州のランゲ地方で最も重要な3つの品種を簡単に見ました。
今回は、ランゲ地方を含む南部のもう少し広い範囲と、ピエモンテ北部で造られているワインを見てみましょう。
ピエモンテは、イタリアワインの王様と言われるバローロを生み出す州で、イタリアの生産地としては最も重要で、ワイン好きにとっては絶対に外せない州です。
さて、今回のキーワードは以下です。
*赤だけでなく、白も、そして甘いスプマンテまである
*アスティ・スプマンテは、イタリアのデザートワインの代表
*ピエモンテ州の北部でもネッビオーロでワインを造っている
「ピエモンテ州=赤ワイン」のイメージがあると思いますが、白ワインの生産は約4割にもなり、意外と多いです。
ピエモンテの辛口の白ワインで最も有名なものは、おそらくガヴィ(または、コルテーゼ・ディ・ガヴィ。スプマンテタイプもあります。DOCG)ではないかと思います。
品種はコルテーゼ。やや淡い麦わら色で、繊細な香り、軽めできりっとした辛口の味わいです。
食前酒として開けても良いし、前菜や軽めの魚料理にピッタリです。
何度飲んでも飽きない白ぶどう品種に、アルネイスがあります。
ワインとしてはロエロ・アルネイス(DOCG)が有名ですが(ロエロには赤ワインやスプマンテタイプもあります)、小さな白い花の香りやりんご、洋梨の香りがとても綺麗で、魚はもちろんのこと、野菜中心の料理にもよく合います。
とても飲みやすく、値段がお手頃なのも嬉しいです。
ちょっとピエモンテワイン通になってみたい時は、ティモラッソという品種を探してみてください。
絶滅しそうだった品種を蘇らせ、2000年代に入ってから話題になった品種です。
ワインは、コッリ・トルトネージ(DOC)という名称で知られていますが(コッリ・トルトネージは、赤ワインを含め、他の多くの品種のものもあります)、アーモンドやミネラルの香りが豊かで、白ワインにしてはドンとした太めの印象、余韻が長く、白ワインなのに長期熟成向きです。
そこで、5年かそれ以上の年月が経ったものがあれば、チャンスと思ってぜひトライしてください。
魚だけでなく、白身の肉、また、チーズと合わせても飲みたいワインです。
ピエモンテ州は、トーマ、ロビオラ、カステルマーニョなど、非常に美味しいチーズが造られている州なので、ぜひ一緒にどうぞ。
ネッビオーロが有名な州南部には、他にもたくさんマイナーな黒ブドウ品種があるのですが、2つだけ挙げてみます。
グリニョリーノ。ワインは、やや薄めのルビー色が特徴的で、キリッとした印象の辛口ワインです。
フレイザ。明るく輝くようなルビー色が綺麗で、花の香りやフルーツの香りが豊かな、軽めの赤ワインができます。
どちらも、気取らず、軽めの肉料理に合わせて楽しめます。
そして、同じ州の南部で造られている甘いワインを2つ紹介します。
一つは、イタリアのデザートワインとして最も有名なアスティ(または、アスティ・スプマンテ。DOCG)。
品種はモスカート・ビアンコを使い、タンクで発酵させて造ったスプマンテ(発泡でないものもあります)です。
モスカートらしい甘く心地よい香りが広がる、アルコール度も低い飲みやすいデザートワインで、チョコレートプリンに似た地元のデザート、ボネや、生クリームを使ったケーキ、クリスマスの定番のパネットーネ、もちろんビスケット類にも合います。
午後のお茶の代わりに開けてもおしゃれです。
もう一つ、ブラケット・ダクイ(またはダクイ。DOCG)は、ブラケットという黒ブドウ品種で造った、ちょっと珍しい赤の発泡性デザートワイン(発泡でないものもあります)です。
輝くようなバラ色で、いちごやバラの香りを持ち、デザート全般に、また、食後に軽く飲むのにもうってつけです。
最後に、ピエモンテ北部で、バローロ、バルバレスコと同じネッビオーロ主体(地元ではスパンナと呼ばれています)のDOCGワインを2つご紹介します。
ゲンメとガッティナーラで、ピエモンテ北部を南北に流れるセシア川を挟み左右対称に生産地があります。
バローロ、バルバレスコと違うのは、どちらも、ヴェスポリーナなど、他の品種をわずかブレンドすることができることです。
バローロやバルバレスコのドンとした強さとは違う、繊細で控えめな香りが特徴的なワインで、最初はその良さが分かりにくいかもしれませんが、すみれの香りに森の木の実、リコリースなどが優雅に香り、バローロやバルバレスコほど気難しくない、実に愛すべきワインです。
やや軽めの肉料理、またはチーズと合わせてみてください。
また、ピエモンテ北部では、同じネッビオーロ主体で、安くて軽やかなワインが生産されているので、目に着いたら、気軽に試してみることをお勧めします。
次回もどうぞお楽しみに。
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2022-03-01
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