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    【イタリアソムリエ協会マスター】ソムリエが教えるイタリアワイン!今回はマルケ州のワインを見ていきます!


    2021-10-21

  • みなさん、こんにちは。

     

    イタリアソムリエ協会のマスター・ソムリエの資格を持っている うしお ゆにこ です。

     

    少し間が空いてしまいましたが、イタリアワインの紹介、第5回目はマルケ州です。


     

    アドリア海に面したマルケ州、長く続く美しい海岸線に点在する町は、イタリア人の夏のバカンス地としても愛され、内陸はなだらかな丘陵地帯になっています。

    日本ではまだマイナーな州ですが、イメージはまるでフィレンツ人(笑)の画家ラファエロは、マルケ州のウルビーノ出身。

    ウルビーノには
    ラファエロの生家がありますので、ラファエロのファンの方は、ぜひマルケ州まで足を延ばしてください。

     

    また、マルケ州の州都アンコーナは、紀元前4世紀を起源とする古い町で、高台から見下ろす港がとても綺麗です。

     

    他、ロレートにある聖なる家の教会には、13世紀、天使が運んできたという言われのナザレの聖母マリアの家があり、今でも多くの巡礼者が訪れています。




    さて、マルケ州のワインのキーワードは以下です。

     

    * 代表の品種は何と言っても、ヴェルディッキオ。

     

    * 白と赤の生産量は、意外やほぼ半々。白ワインが有名だが、今は赤も注目度が高い。

     

    * ややマイナーな州でもあるため、品質と価格のパフォーマンスが抜群に良い。




    さて、まず、マルケ州を代表する白ブドウ品種、ヴェルディッキオについてです。

     

    「ヴェルデ」は緑という意味で、ブドウの色が緑がかっていることから名前がついたと言われています。
    ワインは、わずか緑がかった麦わら色に、アーモンドのようなほろ苦さを感じさせ、魚介料理にぴったりの白ワインです。

    なお、産地に、カステッリ・デイ・イエージマテリカの2つがあります。

     

    イエージは小さな町ですが、13世紀に南イタリアで活躍した政治家、その後の歴史に大きな影響を与えたフェデリコ(フリードリッヒ)2世が、広場に張られた天幕の中で産まれています。生産地としては広く、ヴェルディッキオのほとんどの生産者はこの地域です。 

     

    マテリカは内陸に入り、カステッリ・デイ・イエージと比較すると、生産量も生産者も少なく、しかし、白ワインであるのにもかかわらず数年の熟成耐える白ワインになります。

     

    ちなみに、ヴェルディッキオでも、熟成期間の少し長い「リゼルヴァ」は、DOCG(保証付原産地統制呼称)ワインです。






    赤ワインの代表は、「ロッソ・コーネロ」。

    ややこしいのですが、「ロッソ・コーネロ」はDOC(原産地統制呼称)ワイン、「コーネロ」になるとDOCGです。

    品種は、モンテプルチャーノ種が主体で、深みのある赤、フルーティで、タンニンがまろやか、程よいボディを持つ、肉料理にぴったりのワインです。

     

    ロッソ・ピチェーノ」はDOCワインで、一般的にモンテプルチャーノサンジョヴェーゼ(マルケ州で生産量が一番多い)をブレンドして造り、さくらんぼの風味を帯び、やや軽やかな印象になるので、パスタ、肉料理などに。




     

    もう一つのDOCGワイン「オッフィーダ」は、赤、白ともにあり、赤は、モンテプルチャーノが主体、白は、パッセリーナペコリーノ主体で造られます。

     

    5つ目、最後のDOCGワイン「ヴェルナッチャ・ディ・セッラペトローナ」は、ヴェルナッチャ・ネラという黒ブドウ品種で造られる発泡性の赤ワインです。

    フレッシュなフルーツの香りが豊かで、サラミなどと一緒に食事の始めの方でいただくのがお勧めです。

     

    また、DOCワインですが、黒ブドウのラクリマ種から造られる「ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバ」も、ワインらしさいっぱいの口当たりで、辛口、甘口とありますが、後者は良いデザートワインになります。

     

    その他、白ブドウ品種では、マルケ州の主に北部にビアンケッロビアンカーメとも呼びます)という品種があり、例えば、DOCワイン「ビアンケッロ・デル・メタウロ」は、ヴェルディッキオより知名度が劣ることもあり、値段と品質のバランスが抜群、軽めで飲みやすく、魚料理全般に合わせられ、お勧めです。

     

    最後に「ペッシェヴィーノ」。
    上を向いた魚の形をしたボトルが特徴的です。

    白ワインの場合が多いのですが、通常、いくつかの品種を混ぜて造っています。

    フレッシュな味わいの、中身はご愛嬌程度なのですが、ボトルがとても可愛いので、テーブルの魚介料理が映えてくるかもしれません。



    では、また。次回もお楽しみに。



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