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ここ10年ほど世界中で客船ブーム、大型の豪華客船も次々と就航し、カリブ海や地中海、あるいは日本の近海でもクルーズのブームはしばらく続きそうです。それはそれでありがたいことですが、ベニスでは大型客船の入港に対する反対運動がここ数年勢いを増しています。イタリアの環境大臣も基本的には住民運動に賛同する意見を述べており、地元経済界との綱引きが続いています。ただ問題は綱引きが延々と続いていること。さすがイタリア、結論が出ずにいつまでも不毛の議論ばかり。お金が絡む(港使用料やクルーズ船から降りてくる観光客の落としていくお金)ことだけに、どんな意見にも必ず反対案が出て、いつまでたっても不毛の議論が続くのはイタリアだからでしょうか。
でも写真をご覧頂くと一目瞭然、巨大過ぎてベネチアの街にはそぐわないですね。街より大きな船といった感じで景観を損ねます。
ここはルネサンスのころのガレー船や帆船、そしてなんと言ってもゴンドラが優雅に音も立てずに運河の上を滑るように動いていくのがベネチアです。
ベネチアの港に入港するのはいいのですが、サンマルコの前ではなく、遠く沖合いを航行してくれれば、景観の問題だけではなく、環境問題でも影響は少ないはず。早くそうして欲しいというのがベネチアっ子の気持ちです。
大型客船とベネチアの街
2016-03-10
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