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イタリアソムリエ協会の マスターソムリエの資格を持っている うしおゆにこ です。
今回は、ズバッと、美味しいワインの選び方をご紹介します。
正確には、「できるだけ安く質の良いワインを選ぶにはどうしたら良いか」です。
というのが、巷にはウン万、ウン十万もするワインがあり、美味しいワインを買うには、高いワインを買うのが一番手っ取り早いと思いますよね。
しかし。。。まず、ウン万円もするワインを買うには勇気がいります。
そして、実は、ここはポイントでもあるのですが、ウン万円のワインを飲んだからと言って、それが必ずしも美味しいとは限らない、ということです。
ウン万円のワインが美味しくない??
そうなんです。
普段飲み慣れているワインというものが個人の基準になっているので、突然全然違うタイプのワイン、例えば、酸味が強いとか、インパクトが強くないので良いものなのかわからないとか、なんだかまろやかすぎたり、逆に苦さが際立ったりするワインを飲んでも、普段飲んでいるワインと大きく違って、必ずしも美味しい、正確には値段に見合うほど美味しいと思うかはわからないんです。
自分の味覚が間違ってる??
と不安を抱く方もいらっしゃるかもしれません。
何万円のワインと何千円のワインを間違えてしまう芸能人みたいですが、素人は一応それでもいいんです。
とにかく、普通の値段のワインで話していきましょう。
そして、普通の値段で、できるだけ美味しい、いや、質の良いワインを探していきましょう。
まず、ワインは、できたら酒屋さんで買うことをお勧めします。
最近はワインの品揃えに力を入れているスーパーも増えました。
でも、ワインの保存を考えると、同じワインでも、ほんのちょっと高くても、酒屋さんの方が扱い方や保存状態などで安心です。
イタリアの酒屋さんだと、言葉の問題で入りにくいと思うかもしれませんが、近所でよさそうな酒屋さんがあったら時々足を運んで、顔や好みを覚えてもらうようになれば絶対に得します。
自分の好みをうまく伝えられなければ、美味しいと思ったワインの名前や品種などをメモしていて、それを見せるだけでも、ソムリエには普段飲んでいるワインや好みのワインなどが見えてきます。
そうすると、次はこんなワインを試してみると良い、というアドバイスをくれるようになり、少しずつワインの世界が広がっていくこと間違いなしです。
さて、そんな中でも自分で選ぶ時の簡単な目安です。
まず、やっぱりわかりやすいのは値段です。
物には、平均的価格帯というのがあります。
例えば、昨今、1本2-3ユーロ(日本なら500-700円くらい)で売っているワインは、それなりに美味しいかも知れませんが、「質の良いワイン」とは少し違います。
品質を見た場合、
白だと5ユーロ程度以上、
赤だと7ユーロ程度以上、
スプマンテだと8ユーロ程度以上を一応の目安にしてください。
ただ、ワインというものは、需要と供給のバランスで価格ができている部分があるので、高いほど品質が良いとは限りません。
平均の価格帯を目安に、日常消費用は安め、ハレの日にはやや奮発、というふうにメリハリをつけると良いと思います。
次にボトルを見てください。
良いワインはどちらかというと重いボトルを使っています。
ただ昨今、値段の割になんだか極端に重たいボトルのワインがあり、安い割に持って帰るのが重たくなるのであまり意味をなさないように思うのですが、「値段に合った、ある程度重たいしっかりしたボトル」を意識してみてください。
そして、ボトルの底です。
良いボトルは底が平らではなく、くぼんでいます。
赤ワインだと、長期熟成のオリが溜まるということもあるのですが、とにかくまずボトルが頑丈になります。
ただし、自然派ワインなどは、比較的早めに飲むのが基本だったりすることや、全体の価格を抑えるためにも、必要以上に窪んでいないボトルを使っている場合があります。
そこで、これも、「値段に合った窪みの程度」を見てみてください。
瓶の底の窪みがかなり深いボトルもあります
また、ボトルの色も見てください。
特にロゼワインだと、ワインの色を見せたいので、透明なボトルを使っている場合が多いですが、そういった色を見せたい例を除いて、透明なボトルより、色の付いたボトルの方が光を遮断するので保存が良く、品質の劣化に気を遣っているということが見て取れます。
そして、もちろんラベルも見てみましょう、
ラベルはワインの顔です。
金を多く使ったラベルは、モダンなタイプの味わいのものが多いです。
あまりキラキラしているラベルは、ちょっと品質を誤魔化している感じもあるように思います。
古風なデザインのラベルは、伝統的な造り方のワインが多いです。
一瞬目を引かないかも知れませんが、堅実なワインだろうという予測ができます。
また、ツルツルしてぺらっとした紙のものより、少し厚みのある上質な紙のラベルは、品質への自信を感じさせてくれます。
後ろのラベルに説明書きなどがあれば、参考になります。
とても丁寧な説明のあるワインもあります
ところで、私たち玄人があまり見ないのは、DOCGであるかとかDOCであるか、などです。
DOCGでも安い大衆ワインが結構あります。
そこで、統制呼称は、本来は品質を保証する物であるはずなのに、ある程度の参考にはなっても品質を本当に保証するものにはなりません。
ただ、「ワインのタイプ」は見ましょう。
例えばキャンティ。ただの「キャンティ」ではなく、クラシコ(伝統的な)が付いた「キャンティ・クラシコ」の方が、通常、品質が上です。
キャンティも良いけど、キャンティ・クラシコの方が上質なものが多いです
同じく、スーペリオーレ(上級クラス)も、付いているものの方が品質が良いです。
規定によりますが、ヘクタールあたりの収穫量が少なかったり、熟成期間が少し長くなったり、アルコール度がやや高くなるなど、使われるブドウの品質が良くなります。
最近は畑名が入っているワインが増えました。
ワインのファンタジー名と区別が付きにくいと思いますが、例えば「バローロ」とだけ書いてあるのではなく、なにか別の名前が加わっていれば、シングルヴィンヤードのワインの可能性があります。
その場合、いくつかの畑のブドウを混ぜたのではなく、良い畑のブドウだけを使って造ったワインで、ブレンドものより通常値段が高いのですが、美味しい可能性があります。
ただし、畑のブレンドのものは、ブレンドしてバランスを取ることこそが良いという側面があり、割安でお得感がありますので、捨てたものではありません。
La Serraが畑の名前です
昨今、ビオのマークが入っているワインも増えました。
もし、ビオロジカルワインに興味があれば、ビオマークを探してみてください。
ビオワインは通常優しい味わいです。
そこで、インパクトあるダイナミックなワインがお好きな方でも、ちょっと疲れている時にワインに癒しを求めてという時にはおすすめします。
ビオロジックの表記もありますが、ビオワインのマークも入っています
比較的安いワインの中にもきらっと光るワインはたくさんあります。
ぜひ、いろいろなワインを飲んで、そういうワインを探し当てていただきたいです。
そして、普通飲んでいるワインの中に、時々、少しグレードアップしたワイン取り混ぜて、ワインの世界を広げて行っていただければと思います。
次回もどうぞお楽しみに。
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【マスターソムリエが教える】美味しいワインの選び方!できるだけ安く質の良いワインを選ぶにはどうしたら良いのか?
2022-04-08
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