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ミラノ発信者ワキです。
12月4日、ミラノの見本市会場Rho Fieraで、職人のフェアが開催されました。
クリスマスの前哨戦というにはあまりにも規模が大きなこのフェアには世界から80カ国の参加、出展は2800に上りました。12月12日まで開催されています。
昨年コロナで中止になり、2年ぶりの開催に大盛況。例年と違うところは、入場にはウェブ登録が必要で、グリーンパスを入口でチェックが義務付けられている事等ですが、入場フリーは変りません。
ウェブ登録要という面倒な事があるにもかかわらず、会場内は感染が心配されるほどの混み具合、不況といわれながらもクリスマスプレゼントを求めて錯綜する人々の活気で満ちた会場になっていました。
ミラノは人口の4人に1人が外国人という国際都市で、コンサバなイタリアの中で、ここは異文化への対応に長けている感があります。
イタリアの中だけでも各州全く違う味わいがあり、全20州から出展がありましたが、今年は特にカラブリア州がブースも増やし力をいれていました。
リクリツィア(甘草)のキャンディは黒いゴールド(oronero)という名称で紹介されています。
カラブリアの名物、唐辛子(peperoncino)を使用した涙が出る程辛いペースト、中でもヴィボ・ヴァレンティア(vibo valentia)県のスピリンガ (spilinga)が発祥の豚肉のソーセージのペースト、ンドウィヤ(Nduija)は特に有名です。
眉毛の濃いカラブリアの女の子が試食を振る舞っていましたが、この会場では民族観察ができるのも一つの魅力でしょうか。
北イタリアのドイツ語圏、オーストリアの国境でトレンティーノ-アルトアディジェ(Trentino-Alto・Adige)州のチロル地方からの工芸品や、燻製・スモーク生ハム スペック(Speck)はこの州が発祥地。
サルデーニャ島からはカラスミ(Bottarga)やリキュール酒ミルト(Mirto)や珊瑚のアクセサリー。
ローマが州都のラツィオ(Lazio)からは、ザクロ(Melograno)の専門店。
シシリー(Sicilia)島からの出展も多く、世界の産地ブロンテ(Bronte)のピスタチオを使ったパネトーネは飛ぶように売れていました。
オーストラリアからのストリートフードのレストランやその隣には、ウイスキーブース。
住居関連のブースにはベッドマットやセキュリティーの警報システム、プライベート用のジャグジーのバスタブ、健康水まで取り揃えてあり、興味深いです。
旅の宣伝も州の大切な産業です。
海外ブースでは、フランスでパフォーマンスと牡蠣やパテが人気。
スペインブースではイベリコハム(Pata negra)やパエリヤ、そして一日4回行われるフラメンコショー(もちろん無料)。
サングリアを注文して、舞台側のかぶり付きの席を陣取り、観賞。
旅行へ行っていた頃の感覚が蘇り思わずジワリと込み上げてくるものがありました。
早く自由に旅行出来る日が戻って欲しいものです。
パリからの出展で、日本ブースもあり、誘い(イザナイ)というレストランもありました。
時計を見ると22:30、よく遊んだな、と出口を歩いていると、まだまだ入場する人たちを発見。
見本市は23:00までオープンしているので休みなく人の流れがある様子。
土曜日でも頻繁に地下鉄が走るミラノは、とても便利な町です。
会期中、何度も会場に足を運ぶ人も多いと聞きます。
催し物も試食試飲も多種多様で無料とくれば、人が集まらない訳がないですね。
不思議な満足感で帰路につきましたが、ミラノに物が集結する理由を改めて納得した気持ちになりました。ミラノは程良く流通も発達していて、イタリアのヨーロッパでの玄関としての役割を上手く果たしています。
ミラネーゼはスタイリッシュな感じがクローズアップされる事が多いですが、リーズナブルなものをセンス良く購入、ミラノで売れれば販売の可能性大という登竜門的な役割も担っています。
会場を後にして直ぐに浮かんだ事は、またもう一度くらい来るかも、という事でしょうか。
とはいえ、ミラノの中心地もクリスマス一色で素敵にオーガナイズされてきています。
近日中にミラノ中心地の様子も配信出来れば、と思っています。
それではまた次の機会に。
編集 K.Harada
ミラノ Artigiano in Fiera ~職人たちの見本市
2021-12-10
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