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世界中のレオナルド・ファンならサライと聞くと、ああ、彼のお気に入りの弟子ね、とすぐにわかります。
サライがダヴィンチのところに来たのは10歳のとき。
「またミラノにいる間、弟子としてミラノ出身のサライを雇ったが、上品さと優美さとを兼ね備えた愛らしい青年で、カールした美しい髪をしていた。レオナルドはとりわけ彼を愛した。そして彼に芸術上の多くのことを教えたが、ミラノでサライの手になるといわれるいくつかの作品はレオナルドによって筆がくわえられている。」
とヴァザーリはルネッサンス画人伝に書いている。
レオナルドはその手記の中で、サライのことを、「盗人、嘘つき、強情、大食漢」と表現し、サライーが何を盗んだとかまでこと細やかに書いている。と同時にサライーに靴を買ったなど、愛を感じますよね^^ 可愛くて可愛くてしょうがなかったんでしょうね。
(ダヴィンチの弟子が描いたサライの肖像画 by wikipedia)
”サライ”と言うニックネームは、詩人ルイージ・プルチが書きメディチ家の宮廷で詠み上げられたと言う”モルガンテ”と言う詩(カール大帝と逆臣ガ-ノの争いを中心に、大帝の勇士オルランドと、敗れて従者となった巨人モルガンテの挿話などが配されている)中の悪魔とされる”サラディーノ”を縮小したもので、ダヴィンチが小悪魔と言う意味でつけたものだそうです。
小悪魔は魅力的なんでしょうね。
一般的には、サライーは外見が美しかったので何度もダヴィンチのモデルとなっているわけですが、画家としての才能はそれほどでも無いとされてきました。
ルーブルにあるダヴィンチ作洗礼者ヨハネがその代表的な作品ですね。このモデルがサライと言うのは誰もが知っていることです。
後の晩餐のヨハネもサライ・モデル説あり。それどころか、モナリザのサライ・モデル説もあるくらいなんです。
それではサライーの作品は?と言えば、ヌードのモナリザが有名です。
また、ルーブルのダヴィンチの洗礼者ヨハネの模写がミラノのアンブロジアーナ絵画館にあります。
最近では、この絵はサライー作ではなく、作者が特定できないレオナルド派の画家と言う説もあります。
そしてもうひとつ、アンブロジアーナ絵画館にあり、サライー作とされている密かに話題の絵がこれ↓です。
(あちゃー光まくってる・・・by 私)
イタリアのスーパーマーケットチェーン店のエッセルンガの社長ベルナルド・カプロッティが2007年にニューヨークのオークションで65万6千ドルで購入したものをなんとアンブロジアーナに寄贈したのだ。
右下にFe Salai 1511 Dino (Fece Salai 1511 di Novembre) 1511年11月サライー作と書いてある。専門家たちの間ではこれがサライー本人が描いたものなのか、それともサライーをモデルに描いたものなのか討論されている。
しかし、これ良く見るとすごく無いですか?
特に、引き込まれるようなその瞳、そのスフマート技法、細やかな巻き毛のテクニック、そして髭の描写、服の縁取りの金色の刺繍から赤い服の細かなしわの質感まで、これ、サライーの画家の才能大したことなかったなんて誰が言ったんでしょうか?
ほとんどダヴィンチのレベルに近いところにいってませんか?
特に、この絵、昨年史上最高の額で売られた話題のサルバトール・ムンディとの類似性が感じられると思うのは私だけでしょうか?
まあ、ヴァザーリが言うように、サライの絵はたいていダヴィンチが助けているそうなので、そう言う意味ではサライとダヴィンチの合作なのか?
それとも、(ちょっと老けた)サライーをダヴィンチが描いたものなのか??
サルバドール・ムンディだって昔はダヴィンチ作と鑑定されていなかったわけですから、これから別の鑑定が下る可能性もあるのでは??
と期待してしまうのです。
サライ作(とされる)救世主キリスト、必見です!!
もしかしてダヴィンチ作?サライ作とされる救世主キリストの絵
2018-04-19
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