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日本でも3月末頃から4月上旬頃にかけて桜の満開を迎えるが、同じ頃ローマのとあるスポットでも、桜が見頃となる。
場所はローマ地下鉄B線で南に下った場所に位置する【エウル地区】。
元々は、1942年に予定されていたローマ万国博覧会開催のために建設された新しい街で、名前の由来は、ローマ万国博覧会「Esposizione Universale di Roma」の頭文字をとってEUR(エウル)という。
(しかし、第二次世界大戦の悪化に伴いローマ万博は中止となったため、開催に至らなかった歴史がある。)
現在は官公庁やオフィス、博物館や公園、集合住宅などが存在している地区である。
そんなエウル地区には、東西に長細い人口湖があり、この湖の周りに多数の桜が植えられている。
なぜなら、1950年代にローマの姉妹都市である東京都から桜の木が寄贈されたからであり、今ではこの一帯は日本の散歩道
’PASSEGIATA DEL GIAPPONE’と呼ばれている。
私が鑑賞しに行ったのは、4月二週目。先週末に二日連続して雨が降っていたため散ってしまっているのではないかと心配したが、行ってみると、どの木も見事な桜を咲かせていた。
人口湖を囲んだ公園では、カヌーを楽しむ人や、読書をする人、家族でピクニックをする人たちなどで賑わっていたが、その中でひときわ楽しそうにしているグループを見つけた。
彼らはローマ市内の大学生であり、東洋学を専攻しているとのこと。授業が終わった後にクラスメート達で【HANAMI】をしているところだった。授業では日本語を勉強しているそうで、日本人の私に対して、非常に友好的に接してくれた。
日本の花見といえば缶ビールや缶チューハイを飲み、オードブルや花見弁当を食べるのが一般的だが、彼らはどうだろうか?
飲み物はイタリアらしくワイン一択。ただし赤や白、発砲ワインなど数種類のワインが用意されていた。つまみはというと、ピザとハム類、チーズと手作りのケーキだった。日本と違いオシャレな花見だと感じた。
しかし宴会の中身はというと、酒とつまみを楽しみながら、友人達と話したり、レジャーシートに寝転んだり、歌を歌ったりして、日本の花見と同様に楽しい宴だった。
この時期、エウル地区には多くの在住日本人や、日本文化に興味を持つイタリア人が集まって、花見や日本関連のイベントが開かれているようだ。週末には日本国旗が掲げられているとの話も聞いて驚いた。
日本から離れた土地に居ながら、日本とローマの自然の融合に触れることができ、大きな収穫だったと感じる。
場所: ローマ地下鉄B線エウル・パラスポルト駅
【HANAMI】
2015-04-10
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