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『僕は、水の音を聞きながら歩くのが大好きなんです・・・・・。』と言う訳で、観光客でごった返すスイスアルプスの華々しい高峰からちょっと離れて、今日はのんびりと落ち着いた、スイスの南、バリス州のローヌの谷にやってきました。そこには、水と共に生きる文化があります!スイスの中でもワインの栽培で有名なバリス州は、晴天日数がイタリア並みで、日照りが続き砂漠のようになり農作物が育たぬ被害が度々発生しました。そこで、地元の人々は自前で灌漑水路を作ったのです。その水路はビスと呼ばれ、自主的な組合組織で開発と維持を続けてきました。
近年ポンプの出現でその存在価値が低減してきましたが、依然として改善して維持されているものや、機能を中止してもハイキングルートとして観光に活用されているのもがあるのです!!ハイキングルートとして整備されているのはローヌ谷で約23箇所。そこを水平に走る水道の多くは岩壁の中腹を横断するのでスリルのあるハイキングルートとなります。遠くから眺めると、ものすごく切り立った山の中腹に道がついているように見え、『えぇぇぇ???まさか、あそこを歩くの??』と、目を疑う事もあります。実際歩いてみると、どうってことはないのですけれど、高所恐怖症の人は避けた方がいいかもしれません・・・。コースによっては、カラマツやモミの木立のトンネル、スイスらしい木造家屋のシャレー、また息をのむような絶景を臨む崖、しぶきをあげて流れ落ちる滝など、多彩な景観を楽しむことができます。岩肌に備えつけられた木製ビスに当時の人の苦労を感じ、また歩きやすく整備された散策路や手入れの行き届いた水路に、その伝統文化を守り伝えようとする地元の人の尽力を垣間みる事ができます。水の道の横を歩くわけですから、もちろん、多種の植物を楽しむこともできます。散策の道しるべにもなり、初心者も気軽に足を運ぶことができ快適です。たまに行き違うハイカーと挨拶を交わしながら、鼻歌を口ずさみながらテンポよく歩く・・・・・。耳から、目から、流れる水の音が心地よく響き、僕の魂を和ませてくれます。そんなビスハイキング、あなたもいかがでしょう?!ツェルマットからの日帰り観光は可能です。日本語ガイド同行手配も承っております。
ビス(灌漑水路)ハイキングの巻
2015-05-28
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