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現在、スペインはコロナ感染拡大を防ぐため、人の移動が制限されているので、ほとんどの自治州が州からの出入りを禁じています。マドリッド州も12月初めの連休の時期は4日から14日まで、州からの出入りができなくなるので、2つの大型低気圧の狭間で奇跡的に晴れた先週末、晩秋のエル・エスコリアルまで山歩きに行ってきました。

エル・エスコリアルはマドリッドの北西50㎞、グアダラマ山脈の麓にある町で、世界遺産に登録されている壮大な複合宗教施設、王立サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル修道院で有名です。
16世紀後半、文字通り「日の沈まない国」を父、カルロス1世から受け継いだ、スペイン・ハプスブルグ家最盛期のスペイン国王、フェリペ2世が、ファン・デ・エレーラなどの建築家をはじめ当時のヨーロッパの一流芸術家を集めて建造を命じたのがこのエル・エスコリアル修道院でした。
即位した翌年、1557年の8月10日、聖ロレンソの日にサン・キンティンの戦いで長年の宿敵、フランスに勝ったフェリペ2世は、勝利を授かったことに感謝し、この聖人に修道院を奉献することを決意したと言われています。

修道院を見下ろせる小高い丘の上に「フェリペ2世の椅子」と呼ばれる、椅子のように座るスペースを切り込んだ岩があります。血の濃い政略結婚の弊害で、次々と4人の妻や多くの子供を失い、日の沈まない国から斜陽に向かう王国を治めた寡黙な王様は、この場所に腰かけて修道院建設の進捗状況を眺めたと言われています。

修道院の周りは広大な樫の森ですが、この森を抜けて「フェリペ2世の椅子」の岩へ至るトレッキング周遊コースを歩いてみました。Bosque de la Herraria(ボスケ・デ・ラ・エレリア)と呼ばれるルートです。



踏みしだく樫の落ち葉の音と、鳥の声しか聞こえない静けさ。

一番厳しい岩場を上って、たどり着いた、「フェリペ2世の椅子」広場。写真右側は、王様が座ったと呼ばれる椅子の形をした岩を裏から見たところ。

王様の椅子に座ってみました。

王様の椅子から見える景色はこんな感じ。

今度は別の道を通ってスタート地点まで戻ります。
Cueva del Oso(クマの洞窟)と呼ばれる場所。

森のあちこちで見かけた赤い実

ひっそりとたたずむ祠
13「王妃の泉」と名付けられた湧水
14苔むす樫の林
15私たちは雲と霧に覆われた晩秋の日に訪れましたが、青葉の頃も是非行ってみたい癒しの自然空間。
マドリッド市内から車で1時間弱、とても行きやすい場所です。
Lucymama
【マドリッド郊外】 エル・エスコリアル、晩秋の森をトレッキング
2020-12-05
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