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マドリッドから約100km、トレドから約33kmの距離にあるトレド県の町プエブラ・デ・モンタルバン(Puebla de Montalban)。
毎年8月後半の2週間、この街出身の作家:フェルナンド・デ・ロハスを記念した「ラ・セレスティーナ」の演劇フェスティバルが開催されます。街中には、いくつかの洞窟があり、その洞窟を利用して演劇祭が行われるのです。
街中にあるフェルナンド・デ・ロハスの銅像
「ラ・セレスティーナ」(La Celestina)は、1499年にスペインの作家フェルナンド・デ・ロハスによる戯曲風に作られた小説で、スペイン文学の中でも世界的に有名な作品です。
セレスティーナが書かれたのは、イベリア半島に於いてアラブの最後の砦であったグラナダを攻め、改宗しないユダヤ人を追放したカトリック両王の時代。
若い男女の恋愛をテーマにした悲喜劇ですが、セレスティーナというのは、二人の間をとりもつ魔術を使うと呼ばれる狡猾な老婆です。
スペイン人女優ペネロペ・クルスが出演したセレスティーナの映画もあります。
では、演劇祭の様子をどうぞご覧下さい。
迫力ある演技!劇には街の方も参加しています。
夜には、カジェホンと呼ばれる細い道で行われる怪奇談も公演されますよ。
この方、後述しますモンタルバン城のガイドさんですが、劇にも出演しています。
テンプル騎士団の伝説もある街なので、こんな姿も!
この街には、演劇祭だけではテンプル騎士団のお城と呼ばれる「モンタルバン城」があります。
このお城を観光するのは、所有者のオスーナ伯爵家が指定するガイドのオスカルさんと予約をとり、見学することが必要です。約1時間半かけて、お城の歴史や所有者の色々な裏話なども混ぜて説明してくれました。
モンタルバン城
元々はアラブ占領時代にタホ川の見張りや強固のために現在の城のある場所に建物が建てられたと言われている。国土回復運動の時期は、守備の拠点として改装されながら増築を繰り返し、次第に大きな城になったとのこと。
お城自体の建物はテンプル騎士団によって現在のように建設されたと言われています。その当時の政治の状況により城の所有者が色々と変わり、現在ではオスーナ伯爵家の所有となっています。
テンプル騎士団とは。。
1120年頃、聖地エルサレムの防衛のために設立され、巡礼路の警備、保護などを行っていた騎士団です。巡礼者の財産を預かる財務システムをはじめ、巨大な財産を築いたことで有名です。その後、聖地エルサレムを失った騎士団は、銀行の発祥となるこの機関を続けますが、1300年代フランス王フィリップ4世が、テンプル騎士団の財産を狙い彼らに異端の容疑かけ異端裁判によりテンプル騎士団崩壊へと導くのです。
このお城の塔と10KM以上離れたプエブラ・デ・モンタルバンの街の高台にある塔では、明かりを使って交信などしていたそうです。中世の生活が想像出きるお城見学でした。
またお祭り中は、街の中心であるマヨール広場にも中世の市が出ます。
そしてこんな素敵な刺繍のテーブルクロスも売っていますよ。全て職人さんが手で刺繍したものです!
Sky
トレド県 プエブラ・デ・モンタルバン テンプル騎士団の城と演劇フェスティバル <マドリッド>
2013-09-18
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