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ここスペインでも年々盛り上がりを見せているブラックフライデーが終わり、今やクリスマス商戦真っ只中。この国では1月6日のレジェス(東方三博士)の日まで、お金があろうがなかろうが、みーんなが街に繰り出してショッピングを楽しみます。
さて、そんな中、今日はスペインでお買い物をしたら絶対知っておきたいTax Refund(税金還付)のお話をしたいと思います。
日本の消費税は8%でしたっけ。スペインの場合、消費税に相当するのがIVA(付加価値税)で、物品によって21%、10%、4%と数字が異なりますが、ツーリストの方が購入される衣類、バッグ、靴などはほとんどが21%のIVAですね。
スペインを含むEU(ヨーロッパ連合)以外に住んでいる人がスペインで物品を購入をして、90日以内にEUから持ち出す場合に、その物品に含まれている税金を払い戻してもらうことができます。いわゆる、Tax Refund(税金還付)です。ただし、還付申請ができるのはあくまでも個人としての買い物に限られ、業務用などの買い付けなどは含まれません。
かつてこのTax Refund申請には90.16ユーロという最低金額が設けられていましたが、2018年6月に議決された法律によってこの枠が撤廃され、2018年7月16日以降は、物品の金額に関係なく、還付請求ができるようになりました。
お店や空港などで目にする、スペイン語、英語の表記とその意味を覚えておくと便利です。
IVA = VAT = 付加価値税
Devolucion de IVA = Tax Refund = 付加価値税還付
Sellado devolucion de IVA = VAT refund authorization = 付加価値税還付認証
Devolucion automatica de IVA = Digital tax free = 税金還付自動認証(マシン)
Formulario de devolucion IVA = Tax Refund Cheque = 税金還付申請フォーマット
スペインでは付加価値税還付システムの管理と運営を行っているのは財務省に属する国税庁(Agencia Tributaria)で、そのロゴがこれ。
この国税庁が2016年から暫時導入したきたのがDIVAと呼ばれる税金還付自動認証システム。従来、空港などにある有人の税関窓口(スペインの場合はGuardia Civilとよばれる治安警察が業務を担当)でスタンプをもらっていたものを、インタラクティブなマシンによってバーコードを読み取ることで自動的に税金還付認証ができるようにするというもの。このシステムのロゴがこれ、空港などで見かけます。
マドリードやバルセロナなど大きな都市の空港には自動認証マシンが少しずつ見られるようになっています。
そのマシンがこれです。
さて、Tax Refund(税金還付)と一口で言っても、その流れにはいくつかのプロセスがあるので、確認してみましょう。
まず、ツーリストがある物品をある店で購入し、Tax Refund(税金還付)を希望します。
お店の人は、パスポート提示を求め、領収書と一緒にTax Refund Cheque(税金還付フォーマット)を発行してくれます。
このTax Refund Chequeという書類は、Tax Refund業務を提供するいくつかの会社(Global Blue, Global Exchange, Premier TaxFree, Travel Tax Freeなど)のいずれかのものとなりますが、どの会社を使うかはお店が選ぶので、自分がどのTax Refund会社が発行した書類を持っているかを認識しておくことが重要です。
空港で付加価値税還付認証の有人窓口(税関窓口、治安警察が担当)で認証スタンプを押してもらうか、あるいは自動認証マシンで認証を受けます。
その後、セキュリティーコントロールやパスポートコントロールを通過した後、搭乗ゲートエリアにTax Refund会社の還付窓口へが設けられているので、自分の持っているTax Refund Cheque(税金還付フォーマット)を発行した会社の窓口を探してそこへ行き、還付を受けます。
さて、前述の自動認証マシンが認知できるのはバーコードの入った専用の還付申請フォーマットとなりますが、2019年1月1日以降は、すべての還付申請フォーマットはバーコードの入った自動認証マシン対応のものの使用が義務付けられます。
サンプルがこれです。
では、マドリード空港を例にとって、空港での手続きの流れとその場所を見てみましょう。
付加価値税還付認証の手続きができる場所はターミナル1とターミナル4にあります。
ターミナル2あるいはターミナル1から出発する航空会社でチェックインした場合、ターミナル1で行います。
では、ターミナル1で税金還付認証の手順を実際に見てみましょう。
ターミナル1の出発階(2階)、チェックインカウンタ197番の隣に有人窓口があります。
この写真の右奥に見えるのが有人窓口で、治安警察が対応してくれます。
この窓口の反対側がこれ、自動認証マシンDIVAが3台あります。
さて、画面を見ると、こうなっています。最初の画面で言語「日本語」を選びます。
日本語でこの画面が出るので、「スタート」をタッチします。
この画面の指示に従って、事前にもらっていた還付申請フォーマットのバーコード部分をスキャンします。
マシンの前面の中ほどにあるこの部分の目印「+」にバーコードを合わせると自動的に読み取ってくれます。自分でバーコードを左右に動かしたりすると読み取りができなくなるので、きちんと目印に合わせたら動かさずにマシンがスキャンしてくれるのを待ちます。
うまく読み取りができると、このように緑色のチェックサインが表示されてその旨を画面で知らせてくれます。
このマシンからは認証番号がもらえる訳でもなく、レシートのようなものが出る訳でもないので、「認証できたよ!」というこの緑色のチェックサインを自分の目で確認することが重要です。
うまく読み取りができない場合や、フォーマットに問題がある場合は、赤色のチェックサインが表示され、その旨を画面で知らせてくれるので、反対側にある有人窓口へ行きます。
さて、認証ができたら、セキュリティーコントロールとパスポートコントロールを通過して搭乗ゲートエリアへ向かいます。
この図では、GlobalBlue(赤字)とGlobal Exchange(青字)の還付オフィスが示されています。
では次に、ターミナル4の場合を見てみましょう。
たくさんチェックインカウンターが並んでいます。
目印としては、870番台のカウンターがある島の前を進むとその奥に車いすサービスのカウンターがあります。
このカウンターの左右に自動認証マシンが3台ほど置かれていたのですが、私が見に行った時には撤去されており、チェックインカウンターのエリアには1台もありませんでした。
この車いすサービスカウンタの横を通り、吹き抜け部分の上にかかるブリッジ通路をたどります。
上部に「搭乗ゲート」エリアに向かう表示があります。
ブリッジを渡ると左手に「VAT refund authorization(付加価値税還付認証)」の表示が見えます。
表示に従って右に入ると、左手がトイレ、右奥にDIVAの看板が見えます。
一台目の税金還付自動認証マシン、DIVAがありました。
右に進むと、また1台、DIVAマシンがあります。
このマシンの反対側には有人窓口があります。
そして、矢印に沿ってこのエリアから出ると、そこにも、もう1台のDIVAマシンがあります。
こんな感じの場所です。右側がセキュリティーコントロールです。
さて、認証ができたら、セキュリティーコントロールとパスポートコントロールを通過して搭乗ゲートエリアへ向かいます。
この図にはターミナル4Sの搭乗ゲートエリアにある、GlobalBlue(赤字)とGlobal Exchange(青字)の還付オフィスが示されています。
以上、マドリード空港を例にとって見ましたが、他の空港でもプロセスは同じです。
ここで2つの注意事項がありますので、是非、承知しておいていただくと役に立つかと思います。
1つ目は、DIVAマシンの設置場所は時々変わる、ということ。基本的には有人窓口の近くにあるはずです。
2つ目は、2019年1月1日以降は、自動認証マシン対応フォーマットが義務化されるので、空港などでの認証は基本的にはすべての人がマシンで行うことが前提となり、マシンで認証できなかった場合のみ有人窓口へ向かう、ということ。マシン認証をせずに直接、有人窓口へ行っても認証してもらえないので、注意が必要です。
このように、来年度からDIVAシステムが完全導入されますが、税金還付認証手続きがよりスムーズになるといいですね。
Lucymama
【DIVA】 税金還付(Tax Refund)自動認証マシン導入!
2018-12-09
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