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ヴィンセント・ヴァン・ゴッホは、オランダ人の画家ですが、最後はパリ近郊に住んでいた事をご存知ですか?
セーヌ川の支流、オワーズ川沿の小さな村、オーヴェル・シュル・オワーズは、セザンヌや、ピサロなどの画家たちも近郊にアトリエを構え、また、ゴッホが死の直前を過ごした村です。ゴッホは自殺するまでの2カ月間、晩年の傑作といわれる『オーヴェルの教会』や『カラスのいる麦畑』など、村の建物や風景をモチーフにした70点あまりもの作品を仕上げました。この村には、麦畑や糸杉など、ゴッホが描いたままの風景がいまもそのままに残っています。
『オーヴェルの教会』
12世紀から13世紀にかけて建てられたオーヴェルのノートルダム教会。ゴッホの絵が右下にあります。ゴッホが実際にここに居たのだなぁと、ぞくぞくします。同じアングルで教会を見上げると、時代を遡った感覚に陥ります。実際の絵は、パリのオルセー美術館にあります。
「ラヴー亭(Auberge Ravoux)」ゴッホは屋根裏の4畳ほどの小さな部屋に下宿していました。野外でピストル自殺を図り負傷したゴッホはこの下宿部屋に運び込まれ、息を引き取ったそうです。それ以降、誰も住むことはなく現在は「ゴッホの部屋」として公開されています。本当に小さな板張りの部屋ですので、ゴッホが外へ出て絵を描いていたのはごく自然なことと思えます。
1階には画家たちが集まったカフェが再現されていて、今も食事ができます。
1890年、ゴッホはオーヴェルの墓地に埋葬されました。隣にはゴッホの弟テオが眠っています。テオはゴッホの死後6ヵ月後にオランダで急逝し、一旦はオランダに埋葬されましたが、1914年になって、テオの未亡人によってオーヴェルのゴッホの墓の隣に新たに埋葬されました。二人の墓を覆う蔦は、ガシェ医師の庭から移植されたそうです。
墓からほど近いところに、『カラスのいる麦畑』のモデルとなった麦畑があります。この絵のようには歪んでいませんが、農道もそのままでゾクゾクします!暗雲立ち込める日に行けると、まさにこの絵のような様子が見れるかもしれません。
ゴッホの見た麦から、何十年経っても、またそこに麦が生えています。人間の儚さと、自然の強さ、また、芸術家は存在しなくなっても、残した絵画は半永久的に残っていく、そんなことをぼんやり考えながらしばらくここでゴッホが見つめた麦畑を同じように見つめます。
「医師ガシェの肖像」
精神病だったゴッホの主治医ガシェ医師の家も現在公開されています。ガシェ医師の紹介で、ゴッホはパリの喧騒から逃れ、オーヴェルへとやって来たそうです。印象派絵画の愛好家であったガシェ医師は、セザンヌ、ルノワール、ピサロ、そしてゴッホなどの画家を頻繁に自宅へと招き入れました。ゴッホ自身による複製画がオルセー美術館にあります。
「オーヴェルのガシェ医師の庭」
訪れたときには、さくらんぼやいちじくがなっていました。医師やゴッホもこのお庭でゆったりとした時間を過ごしたのでしょうか。こちらには、半透明のパネルでゴッホなどの絵が紹介されています。この絵はオルセー美術館にあります。
「オワーズ川」この土手のどこかにゴッホが座っていたのかしら。
町役場もゴッホの絵そのままに残っています。
小さい村ですが、ゴッホ好きの方には見どころ、感激しどころ満載★
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(桃)
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2017-05-27
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